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Vol.06 国民のいのちを守るための緊急情報伝達システム~「J-ALERT(全国瞬時警報システム)専用小型受信機」

国民のいのちを守る全国瞬時警報システム J-ALERT。 普及へ向けて大きな活躍が期待される「J-ALERT専用小型受信機」にフォーカス

複数の緊急情報を総合的に伝えることができるJ-ALERT

まずJ-ALERTについて教えて下さい

沖田:J-ALERTとは津波警報や緊急地震速報・弾道ミサイル発射情報等といった緊急情報を、通信衛星を使って地方公共団体の同報系防災行政無線等を自動起動させることによりサイレン等を吹鳴させ、瞬時に住民に伝達するシステムです。2004年9月の国民保護法施行にあわせてシステムの整備がスタートし、2005年から2006年にかけて実証実験が行われ、2007年にJ-ALERTの試験導入が開始されました。

J-ALERT専用小型受信機

当初はJ-ALERTを受信できる機関は地方公共団体に限られていましたが、その他に指定行政機関、指定地方行政機関、指定公共機関などにも拡大されました。地方自治体だけでなく、各省庁や運輸局・気象台、道路・空港・鉄道・電力・通信といったインフラに関わる機関、公立学校・病院・大規模施設などでもJ-ALERTを利用できるようになりました。

他の緊急情報システムとJ-ALERTとの違いは

沖田:緊急地震速報だけを伝えるシステムは他にもあるのですが、J-ALERTは緊急地震速報に加え、津波情報や火山情報・気象情報も伝えることができます。また国民保護法に基づく情報として国民への情報提供が義務化されている、弾道ミサイル発射情報等の武力攻撃事態情報を伝達できるのはJ-ALERTだけです。このように複数の情報を総合的に配信できるのがJ-ALERTの大きな特長です。

コンパクトで取り扱いが簡単な「J-ALERT専用小型受信機」

そこで「J-ALERT専用小型受信機」の登場となるわけですね

青山:より多くの機関でJ-ALERTを受信できるようになったわけですので、より導入しやすいシステムにするために受信機の改善も望まれました。そして誕生したのが「J-ALERT専用小型受信機」です。本機によって緊急地震速報や弾道ミサイル発射情報などの緊急情報を通信衛星やインターネット経由で受信して、地域の住民の皆様へサイレンや緊急放送などにより通知する事が可能になります。

従来の受信機に比べてどんな点が改善されているのですか

沖田:「J-ALERT専用小型受信機」では、確実に情報を伝えるための手段として、衛星送信局を2元化し、送信局側の耐障害性を向上させています。また降雨などによる衛星回線断時には、自動的にインターネット回線に切り替えて緊急情報を受信するため、気象条件に影響されない運用をおこなえます。加えてネットワークからのヘルスチェックによる保守をおこなうことで故障による機能停止を防いだり、ネットワーク経由でソフトウェアを常に最新の状態に保てます。

主事 青山修也
主任技師 沖田洋和

青山:導入しやすくするために、本体のサイズも大幅にコンパクトになりました。従来の衛星放送では大きな衛星受信モデムと専用のパソコンを用いて受信していたのですが、「J-ALERT専用小型受信機」はその名の通りSTBサイズのコンパクトな筐体の中に、衛星受信モデムと必要となる処理装置が一体化されています。これにより、本機とアンテナがあれば利用可能な、大変シンプルな機器構成となっています。

沖田:しかも従来の受信機は、緊急情報を受信した際に防災行政無線と連携し屋外スピーカーから音声放送を出したり、サイレンを起動する事が中心でしたが、この「J-ALERT専用小型受信機」は数多くの外部インタフェースを標準で装備しているため、受信した緊急情報を様々な情報に加工して伝達することが可能です。

アナログ音声出力を用いた警報音・アナウンス音声の再生や、内蔵WEBサーバから警報映像のWEB出力も可能です。また非常放送設備やエレベータなどの外部装置制御用には8系統の接点信号が用意されていますし、LANによるネットワーク型の防災行政無線自動起動装置や回転灯の制御、さらにはメールサーバとの連携による緊急メール配信も本機でおこなえます。

それだけ多機能だと設定は難しいのですか

沖田:いいえ、本機にはWEBサーバーが内蔵されているので、本機に接続したパソコン上で管理画面にアクセスすればWEB画面から設定がおこなえます。警報の設定なども直感的に操作できるので簡単にセットアップができます。

さらなる活躍の場の拡大を目指して

最後に「J-ALERT専用小型受信機」導入に向けての意気込みは

青山:消防庁でのJ-ALERTに関する業務規定等の整備を受け、まずはこれまでJ-ALERTの整備対象に指定されていない団体、つまりは独立行政法人や指定公共機関などに対して、導入のご提案をしていきたいと思っています。また、全国各地の病院や学校にも積極的に導入いただくことで、国民生活の安全を守るための情報等を、全国へお届けしたいと考えています。

沖田:現在は既存周辺装置との接続インターフェースをご用意している段階ですが、今後はより具体的なユーザーの活用方法を提案していくことで、国民の安全を確保するために不可欠なシステムとして当社の機器をご利用いただけるよう、メーカーという立場で普及に向け取り組んでいきたいと考えております。

※掲載内容は発表時のものです。組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。