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「医者が教える食事術 最強の教科書」牧田善二 著

ビジネスの成功は心身の健康から。
心と体は深く結びつき、互いに支え合いながら、時に思いもよらないパワーを生み出します。
このコラムでは、しなやかな体と強い心を手に入れるためのオススメ本をご紹介します。今回はこちら…

負けないカラダ〜Toughnessを手に入れる本 第65回

「医者が教える食事術 最強の教科書」
牧田善二 著

ダイヤモンド社 / 1,500円 税別

2018-09-25

健康格差は毎日の食べ方で決まる…。生科学のメカニズムに沿って導き出した医学的に正しい食べ方。

血糖値を上げない食べ方


人間の体には消化・吸収のシステムが備わっています。それにより、口から食べたものが消化され、形を変えた栄養素になって吸収されていきます。食べたものが代謝の過程で構成を変え、さまざまな物質に合成される仕組みを「生化学」といいます。

本書はこの生化学を専門にする医学博士・牧田善二氏の著書。世界の論文や20万人以上に及ぶ臨床経験をもとに記されています。

食事によってもたらされた肥満から老化が進み、病気が生まれます。

その最大の鍵を握るのは「血糖値コントロール」です。

「糖質中毒」に注意


血糖値を上げるのは「糖質」です。

近年、低糖質ダイエットに注目が集まっていますので、すでに食事に気を配っている方もいらっしゃることでしょう。

牧田氏がもっとも気をつけるように促しているのが「咀嚼を必要としない糖質」。ジュースや缶コーヒー、エナジージェルなどです。

通常、健康な人の血糖値は空腹時で80〜90mg/dl前後で、ごはんやパンを含んだ食事をとると、1時間後に120くらいまで上がり、やがてゆっくりと下降していきます。

ところが液体の糖質の場合、口にしてすぐに血糖値が上がり始めて30分後にはピークに達します。糖質を含む缶コーヒーを1本飲むと、糖尿病のない健康な人でも、30分後には140くらいまで血糖値が急上昇してしまいます。

これを「血糖値スパイク」と呼ぶそう。これが起きると、今度はジェットコースターのように一気に血糖値が下降して、血糖値が低すぎる状態に陥ります。

このとき、セロトニンやドーパミンといった脳内物質が分泌され、ハイな気分になります。この状態を「至福点」といいます。このハイな状態から血糖値が大きく下がると、気分は一転して、イライラしたり吐き気や眠気に襲われたりと不快な状態になります。

すると脳は、「またハイな気分になりたい」と糖質を求めるようになります。これは脳が「糖質中毒」を起こしている状態です。

一日の血糖値は70〜140の間が理想


糖質摂取の量をコントロールすることは、肥満やあらゆる病気を防ぐことに繋がります。

まず食事の際にカロリーは気にしないこと。肥満は血糖値の急上昇によって起こるので、カロリーよりも糖質の量を意識して食事内容を選びます。

脂肪を食べたからといって、そのまま体脂肪になるわけではありません。食べたものは消化・吸収の過程で分解・合成され新しい物質に変化します。糖質が体の中で脂肪に変わるわけです。

ごはんは玄米に、パンは全粒粉にといった具合にできるだけ精製されていないものを選び、たんぱく質や野菜を豊富にとります。夜は炭水化物を控え、お酒はワインや蒸留酒を。お酒を飲むときには一緒にお水を飲むのがおすすめです。血中アルコール濃度を低くして、さらにアルコールの排泄を促進してくれるからです。

一日の血糖値が70から140の間にあるのが理想だそうです。

「酸化」と「糖化」が老いを早める


体が老ける原因としての「酸化」は長年注目されてきましたので、抗酸化作用のある食品の知識もいまではかなり広まってきているといえます。

さらに気をつけるべきは体の「糖化」です。体が錆びるのが酸化なら、糖化は焦げる状態です。糖化はたんぱく質がブドウ糖と結合することで劣化する反応で、このとき「AGE」という悪い物質が生まれます。

AGEが体に溜まっていく要因は、高血糖、AGEの多い食べ物の摂取、紫外線、たばこです。

本書にはAGEの多い食品やAGEを減らすための調理法なども紹介されています。

毎日の食事でこれら細かな項目をすべて意識するのは、なかなか現実では難しいもの。牧田氏は人類の歴史の中で比較的最近になって生まれた精製食品や添加物などをできるだけ避け、「もともとなかった食べ物を食べない」食事法をすすめています。

(編集部)