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コラム | COLUMN

ビジネスの成功は心身の健康から。
心と体は深く結びつき、互いに支え合いながら、時に思いもよらないパワーを生み出します。
このコラムでは、しなやかな体と強い心を手に入れるためのオススメ本をご紹介します。今回はこちら…

負けないカラダ〜Toughnessを手に入れる本 第16回

「体が若くなる技術」
太田成男 著

サンマーク出版 / 1,400円 税別

2014-8-21

分子細胞生物学の専門家が唱える“体を若くする技術”とは…。エネルギーをつくり出す器官“ミトコンドリア”に注目した書。

人間には本来、体を若く保つ機能がある


日本医科大学教授の太田成男氏は、30年以上に渡ってミトコンドリアの研究を進めてきた、この分野の第一人者です。

ミトコンドリアは私たちの細胞の中にあるひとつの器官で、細胞全体の10~20%を占めています。中でも最も重要な働きは、体を動かしたり基礎代謝を促したりといったエネルギーをつくり出す機能。

人は40歳を過ぎた辺りから、少しずつ体の衰えを感じるようになりますが、その時に体を休めてばかりいると、肉体の衰えを止めることが出来なくなるのだとか。

人間には生まれつき「体を若く保つ機能」が備わっていて、そのキーワードとなるのが「ミトコンドリア」なのです。

体が使うエネルギー量を維持する


ミトコンドリアはエネルギーをつくり出す働きをしますが、いくらでも豊富につくれるわけではありません。個々の体にとって必要な量しか生み出さないといいます。

そのため、体を動かさないでいると「エネルギーはそれほど必要ないのかな」と体が判断して、ミトコンドリアの量を減らしていきます。そうなると、ますます体の衰えを感じるようになってしまいます。

肉体の衰えを小さくするためには、エネルギーを使う量=運動量を少しずつ増やし、通常は年齢とともに減少していくミトコンドリアの量を維持することが重要です。

しかも、私たちの体はエネルギーを溜めておくことができませんから、健康な体でいるためには、コンスタントに運動を続けて「これくらいのエネルギー量が必要なのだ」と常に体にオーダーをかけることが必要になってきます。

厄年はミトコンドリアにとっても転機


古くから男性の厄年は25歳、42歳、61歳といわれてきました。中でも42歳は大厄で、さまざまな災いが起こりやすい年齢と考えられています。

この年齢は社会的な責任も大きくなり、ストレスの増大によって心身の負担が増える頃。また環境的な要因だけでなく、実際に体内の細胞も転機を迎えます。

幅広い年齢の人々のミトコンドリアを調べてみたところ、この42歳を境にエネルギー生産の能力が急激に落ちることが分かっています。体が少しずつ変化する場合は脳が修正しやすいのですが、急激にエネルギー生産が落ちると追いつかず、できると思った動作ができずに転倒するなど、思わず怪我を引き起こすこともあります。

この年齢からは特に、体内に十分なエネルギーをつくることを意識して、ミトコンドリアの量が増えやすくなる生活を送る必要があります。

メタボ=エネルギー代謝の病気


寝ている状態でも消費されるエネルギーのことを「基礎代謝エネルギー」といいます。体内でつくられるエネルギーの6~7割は基礎代謝に使われ、その量は年齢を重ねると次第に減っていきます。

原因はミトコンドリアの質の低下によって、エネルギーをつくる能力が低下するからです。つまりミトコンドリアを増やしていけば、90歳になっても基礎代謝を増やすことはできるわけです。

2006年から使われ始めた「メタボリックシンドローム」という言葉、いわゆる “メタボ” は単純な肥満と誤解されがちですが、代謝異常によって起こるさまざまな病的変化を意味しています。

“メタボ” の正式な日本語訳は「内臓脂肪症候群」。”メタボ” の解消と予防を目指すのなら、ミトコンドリアを増やして代謝を上げ、内臓脂肪を減らしていきましょう。

ミトコンドリアを増やす4つの方法


日常生活の中でミトコンドリアを増やす方法は4つあります。

1つめは “マグロトレーニング” 。
ミトコンドリアは全身の細胞に存在しますが、特に多い部位は「筋肉」と「神経」です。とりわけ健康を左右するのは、筋肉のミトコンドリアと考えられています。

筋肉には、1)心臓を動かす筋肉、2)内臓を動かす筋肉、3)運動したり物を運んだりする骨格筋の3つがあり、自分の意思でコントロールできるのは骨格筋だけ。

骨格筋には「赤い筋肉(赤筋)=持久力の強い筋肉」と「白い筋肉(白筋)=瞬発力の強い筋肉」があり、ミトコンドリアは赤い筋肉に多く含まれています。

魚を思い浮かべると、マグロは赤身魚で、ヒラメは白身魚ですね。それぞれの動きを比べてみますと、マグロは回遊魚で泳ぎ続け、ヒラメは海の底でじっとしていて動く時だけ瞬発力を発揮しています。私たち人間も同様で、持久力の筋肉を鍛えるにはマグロのようなトレーニングを行えばよいわけです。

“マグロトレーニング” の代表はランニングです。ジムなどで行うバイクトレーニングにも同様の効果が期待できます。ここで頑張り過ぎると活性酸素が大量に出てしまいますから、ほどよい疲労感の残る持久系の有酸素運動を行うことがカギとなります。

ミトコンドリアの増加は意外にも短期間で可能だそうで、例えば、ゆっくりとした有酸素運動を毎日2時間ほど続けた場合、一週間で1.3倍、1ヶ月後には2倍にまでミトコンドリアが増えるという結果が出ています。

2つめは、背筋を伸ばすこと。ミトコンドリアは背筋と太ももの筋肉に多く含まれているからです。社交ダンスや太極拳、バレエなどのような背筋を伸ばす運動が効果的でしょう。運動だけではなく、日常生活の中で姿勢を意識するだけでも変化が生まれるといいます。

3つめは、寒さを感じること。寒さを感じると体はエネルギーが必要だと観じ、「ミトコンドリアを増やせ」という指令を出します。

4つめは、空腹を感じること。空腹も寒さと同様で、体はエネルギーをつくらなければいけないと認識してミトコンドリアを増やそうとします。

本書ではそのほか、活性酸素とミトコンドリアの関係にも言及しています。ミトコンドリアの質が悪ければ運動時に生じる活性酸素が増え、質が良ければ活性酸素を少なくして害を押さえてくれることがわかっているそう。

効率よくエネルギーをつくり出し、なおかつ体を錆びさせる活性酸素をあまり出さないミトコンドリアは、先に挙げた4つの生活習慣で増やすことができるといいます。

☆ ☆ ☆

普段、私たちはほとんど意識することのない「ミトコンドリア」ですが、トップアスリートの間ではミトコンドリアを意識したトレーニングが盛んです。基礎代謝量を上げて、いつまでも活動的な体でいたいものです。


(編集部:Y.C)