コラム | COLUMN
「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」

「気になる本はたくさんあるけれど、忙しくて、ついつい読まずに終わってしまう…」。そんなビジネスパーソンのために、仕事に役立ちそうな本、これからの人生をより豊かにしてくれそうな本を編集部がピックアップ。内容を“美味しいとこ取り”でご紹介します。今回はこちら…

ちょっと立ち読み〜ビジネスに強くなる本 第79回

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」
リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 著

東洋経済新報社 / 1,800円 税別

2018-07-09

「人生100年時代」を生きるための意識改革。これからの時代に必要なこととは

人生は「マルチステージ化」へ


本書は、2012年に発売された『ワーク・シフト』が話題を呼んだロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が記した本。

先進国では寿命が延び、これからは「人生100年時代」といわれています。
その時代を生き抜くためのヒントを書いたのが、この『LIFE SHIFT』です。

日本は世界でも指折りの長寿国。100歳以上の人はすでに6万1千人以上おり、今後、100歳を超えて生きる人はもっと増えるとみられています。

寿命100歳の時代には、過去の人生設計のモデルは役に立たなくなっていきます。人生のあり方そのものが根本から変わっていくと見られています。

その変化をひとことで表現するなら「人生のマルチステージ化」。

これまで、私たちは3ステージで人生を生きてきました。「学ぶ時期」「会社勤めの時期」「引退後」です。そこでは主に年齢がステージを決定していました。

ところが人生100年時代になると、その価値観は変化します。変わらざるを得ないと言い換えてもいいでしょう。

新しいステージとして考えられているのが、社会の見聞を広める「エクスプローラー」のステージや、キャリアを離れて自分で職を生み出す「インディペンデント・プロデューサー」のステージ、同時にいくつもの活動に関わる「ポートフォリオ・ワーカー」というステージです。

すでにそうした生き方を選ぶ人たちは増えていて、社会はゆるやかに変わってきています。

さらに、マルチステージの人生が普通になったとき、私たちは多くの移行を経験するようになります。そこでは柔軟性をもって新しい知識を獲得したり、新しい志向様式を模索したりするなど、変化を恐れない心が必要とされます。

これからさらに「学習」が重要になる


本書におけるもうひとつのキーワードは「無形の資産」。人生100年時代には、家や現金、銀行預金といった「有形資産」だけでなく、目に見えない「無形資産」をどう運用していくかがカギを握ってきます。

この「無形資産」は大きくわけて3つあります。

ひとつは仕事に役立つスキルや知識、人間関係などの「生産性資産」。もうひとつは、健康や友人、パートナーや家族といった「活力資産」。最後が人生の途中で新しいステージへの移行を成功させる意思や能力といった「変身資産」です。
たとえば「生産性資産」をみてみると、大学や社会人初期の頃に身につけた知識やスキルだけでは100年ライフの後半に充実した生活を送ることは難しくなります。

人工知能や各種テクノロジーが急激に進化する中で、これまでのように人生の早い段階に一度にまとめて知識を身につける時代は終わると予想されます。

生涯にわたっての学習姿勢や多様性に富んだネットワークが重要になってきます。

本書では人生設計の例として、1945年生まれのジャック、1971年生まれのジミー、1998年生まれのジェーンという3人の人物が登場します。

3人の人生シナリオを通して、生まれた時代によって異なる時間やステージのとらえ方、そして未来をイメージできるようになっています。

100年ライフにおいて、どう人生戦略をたてるか。読者の年齢により、さまざまに読み解ける一冊です。

(編集部)