コラム | COLUMN
おひとりウーマン消費! 巨大市場を支配する40・50代パワー

「気になる本はたくさんあるけれど、忙しくて、ついつい読まずに終わってしまう…」。そんなビジネスパーソンのために、仕事に役立ちそうな本、これからの人生をより豊かにしてくれそうな本を編集部がピックアップ。内容を“美味しいとこ取り”でご紹介します。今回はこちら…

ちょっと立ち読み〜ビジネスに強くなる本 第77回

「「おひとりウーマン」消費! 巨大市場を支配する40・50代パワー」
牛窪 恵 著

毎日新聞出版 / 1,450円 税別

2018-05-07

40代、50代の独身女性が動かす巨大市場とは? ライフスタイルから消費傾向を読み解く。

二人に一人が独身の時代へ


長年、世代やトレンドの評論家として活躍する牛窪恵氏。

2004年に初の著書『男が知らない「おひとりさま」マーケット』を上梓して以来、大手企業とのマーケッティング開発も併せて、これまでに2000人以上の独身女性を取材してきたといいます。

本書は、消費や人脈形成に積極的な女性たちのマインドを読み解く本です。

日本は2030年、全人口の約半数が「おひとりさま(独身)」になると見られています(野村総合研究所予測)。独身が「二人に一人」という時代は、すぐそこまで迫ってきているわけです。

そんな中で、牛窪氏が注目しているのが「おひとりウーマン」。とりわけバブル期を経験している50代や、人口ボリュームゾーンである団塊ジュニアを含む40代の消費にスポットを当てています。

女性たちを取り巻く社会環境や深層心理などを丁寧なヒアリングから収集し、「おひとりウーマン」が共感するサービスや商品の傾向を導き出しています。

この10年ほどで「おひとりさま」という言葉は広く浸透した感がありますが、実際のライフスタイルは実に多様です。

未婚か結婚後の離別か、ひとり暮らしか両親と同居か、子どもや介護が必要な親など世話をやく相手がいるか、雇用形態は正規か非正規か…などなど。

しかし、そうした単純なカテゴライズだけでは、本当の需要はくみ取れません。

「時間コントロール」への欲求


多様な価値観から生まれる消費マインドについて、本書は大きく5つに分けてまとめています。

そのひとつが「ひとりはラク!」というマインドです。

ひとりであることに非常にポジティブな女性たちは、楽だからこそ「丁寧にきちんと暮らしたい」という深層心理を持っています。

自分の部屋は心休まる場所であることから、お気に入りのインテリアや家電を集めたり、不要なものを極力減らして部屋をすっきりさせ「インスタ映え」するような部屋づくりをしたりしています。

一方、食の世界を見てみると、料理に関しては「時短」よりも「時間コントロール」に関心が高いともいえます。

たとえば、ある冷凍食品専門店では、「手抜き」のイメージがあると冷凍食品を使うことに罪悪感が伴ってしまうことから、「時間コントロール」を意識した商品展開を進めています。

いちばん人気は「クロワッサン」。冷凍庫に常備しておけば、朝オーブンで焼くだけでバターの香り豊かなクロワッサンが食べられるという商品。店までわざわざ買いに行かなくても、いつでも美味しいクロワッサンが食べられる手軽さがメリットとはいえ、電子レンジのオーブン機能で焼くのには10〜20分程度かかります。

おひとりウーマンの9割以上が何らかの仕事をしていることから、「出来合いの総菜」をもっとも利用するのもこの層といわれています。料理に時間をかけたくないという気持ちはあるものの、必要なら手間をかけてもいいと感じている女性も多くいます。

食分野だけ見ても、まだまだ掘り起こされていない需要がありそうです。

「ひとり時間」を充実させるには?


別の章では「ひとりになりたい」というマインドについて分析しています。

「おひとりウーマン」というとひとり暮らしをイメージしがちですが、決してそうではありません。40代、50代の独身女性のうち、約6割が親と同居しています。40代だけでも90万人を超している計算です。

また、独身で親元を離れて暮らしている女性の中にはシングルマザーも含まれます。

こうした女性たちに共通するのは、ひとり暮らしの女性に比べて、時間や空間が自由になりにくいということ。そこから「せめて1時間でもひとりになりたい」という需要が生まれています。

そうしたマインドから生まれる消費のひとつとして、ここでは車が紹介されています。車を「ひとりになれる場所」と感じている女性は少なくないようです。

同じように「バスタイム」も「ひとりになれる時間」として、大切にしている女性が多いのだとか。

ほかにも、健康や美容、立ち寄りスポット、旅、セーフティネットなど、本書では多岐に渡るテーマを取り上げています。

近い将来、日本の全人口の半数を占める独身マーケットは、すでに中国でも活況を呈しているといいます。

個々のニーズに応じた商品や、「こんなものがあったらいいのに」といったサービスやソリューションの開発に期待が高まります。

(編集部)