コラム | COLUMN
脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術

「気になる本はたくさんあるけれど、忙しくて、ついつい読まずに終わってしまう…」。そんなビジネスパーソンのために、仕事に役立ちそうな本、これからの人生をより豊かにしてくれそうな本を編集部がピックアップ。内容を“美味しいとこ取り”でご紹介します。今回はこちら…

ちょっと立ち読み〜ビジネスに強くなる本 第74回

「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」
樺沢紫苑 著

大和書房 / 1,500円 税別

2018-02-05

アメリカ式の時短術と医学的メソッドを取り入れた「人の4倍働いて2倍遊ぶ」タイムマネージメント術。

精神科医でもストレス過多になる


かつて病院の勤務医だった精神科医の樺沢氏は、あまりの多忙さから「蝸牛リンパ水腫」という突発性難聴の類縁疾患と診断されてしまいます。

精神科医がストレスで病気になってしまうという状況を省みて、そこから生き方を変えていきました。

自分らしく生きようと決意し、時間配分や時間の使い方を徹底的に見直します。毎月20〜30冊の本を読み、毎日必ず文章を書くという生活を15年間続けました。

その結果アメリカ留学の機会を得て、帰国してからは、メンタル疾患や病気予防につながる精神医学、脳科学の情報などを著書やインターネットを通じて伝えています。

脳のパフォーマンスが最も高い時間帯は?


20年ほど前、大学の医局に在籍し、アルツハイマー病理学的研究をしていた樺沢氏は、英語論文が書けずに非常に苦労していました。

いつもは仕事が終わった夜に書いていましたが、ある日、朝9時から書き始めたところ、すらすらと書き進めることができました。その日の午前中は体も頭もまったく疲れず、とても充実した気持ちになりました。

このことがあってから、高い集中力が必要な執筆仕事は、体も頭もフレッシュな午前中に行うようになります。

この時間帯は「脳のゴールデンタイム」。人間の脳は起きてから2〜3時間くらいに最も整理された状態になり、高いパフォーマンスを発揮します。

ゴールデンタイムを使って、論理的な作業、文章執筆、語学の学習といった高い集中力を要する仕事を行うことを、著者はすすめています。

ゴールデンタイムに行うべき仕事


私たちが日々行う仕事は大きく2つ「集中仕事」と「非集中仕事」に分けることが出来ます。どのタイミングで何を行うか、それだけで一日の仕事量が決まってきます。

「集中仕事」は文章を書く、プレゼンテーションの資料をつくる、英語の資料を読む、英文を書く、決算書のように一円でも間違っては困る重要な資料づくりなど。

「非集中仕事」は、メールやメッセージのチェック、電話、コピーとり、資料や本に目を通す、打ち合わせ、会議、来客対応などです。

脳に負荷がかかる「集中仕事」はゴールデンタイムに行うことで要領よくこなすことが出来ます。脳への負荷の少ないメールチェックなどは、休憩や移動中でも出来ますから、ゴールデンタイムにこなすのはもったいないわけです。

よく「集中力を高めよう」という言い方をしますが、目指すのは「集中力の高い時間に、集中力の必要な仕事しよう」です。

15分、45分、90分の法則


そうはいっても、すべての仕事を午前中に行うわけにはいきません。ここでは、午後や夜にも高い集中力を必要とする仕事をこなす裏技が紹介されています。

そのひとつが「運動」です。1回60分〜90分の有酸素運動を行うと、頭も体もすっきりとリセットされます。

ほかに「15分、45分、90分の法則」があります。

高い集中力を要する同時通訳は10分か15分が集中力の限界だそう。国際会議などでは、3人1組になり、15分ごとにローテーションで回すことが多いといいます。

小学校の授業は一コマ45分。サッカーの試合は45分ハーフの90分。

人間の体には「体内時計」があり、24時間周期の「概日リズム(サーカディアンリズム)」は以前から周知されていました。

最近ではもう少し短いリズムとして90分周期の「ウルトラディアンリズム」が注目されています。人間の脳波は、覚醒度の強い90分と眠気の強い20分が交互に訪れる仕組みになっています。これを踏まえて、適度に休憩を挟むことで、脳は再び集中しやすい状態になります。

日常習慣で脳はもっとパフォーマンスアップする


そのほかにも、デスク周りやパソコンの中などを綺麗にする、未完了課題を書き出して脳の緊張を解く、といった集中力を高めるための「雑念排除法」も登場します。

また、朝のゴールデンタイムを最大限活かすための工夫や、ランチ時の脳のリセット術など、脳のパフォーマンスを最大限引き出すための方法が豊富に紹介されています。

すぐにでも取り入れたいと思ったのは、休憩時間に目をつぶること。

人間の脳は、視覚情報の処理にキャパシティの90%を使っています。デスクワークの人は、休憩時間にしばし目をつぶって視覚情報をシャットアウトするだけでも、脳は休憩モードに入り、ベータ波からアルファ波へと変化。その後の集中力アップが期待できます。

(編集部)