コラム | COLUMN
先延ばしは1冊のノートでなくなる

「気になる本はたくさんあるけれど、忙しくて、ついつい読まずに終わってしまう…」。そんなビジネスパーソンのために、仕事に役立ちそうな本、これからの人生をより豊かにしてくれそうな本を編集部がピックアップ。内容を“美味しいとこ取り”でご紹介します。今回はこちら…

ちょっと立ち読み〜ビジネスに強くなる本 第72回NEW

「先延ばしは1冊のノートでなくなる」
大平信孝 著

大和書房 / 1,300円 税別

2017-12-04

オリンピック選手も実践している行動イノベーションノートとは? 目標を明確にするための簡単ノート術。

目の前のことで精一杯な人へ


「やりたいことがあるのになかなか実践できない」「失敗が怖くてチャレンジできない」「そもそも自分の本当にやりたいことがわからない」……。

こんな気持ちは多かれ少なかれ、誰でも一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

この本では、その解決策として「行動イノベーションノート」を紹介しています。

タイトルにもある「先延ばし」とは、自分にとって重要な仕事や価値のあることを後回しにしてしまうこと。

まず、未来に「アンカリング」をします。これは目的地を見つけるということです。
目的地が見つかってこそ、人は「その気」になるからです。


現在の延長線上にない目標を立てる


本書ですすめる目標設定は「ぶっとんだ目標」。なぜこうした目標を立てるかというと、「ぶっとんだ目標」を持たないと、未来よりも過去が勝ってしまうから。

過去のほうがリアルに経験した分、記憶が鮮明でイメージしやすいのです。

先延ばしを撃退するには、どこかでステージを乗り換える必要があります。「ぶっとんだ目標」を立てることで、その目標に引き込まれ、未来に引っ張られていきます。

著者はこれを「北極星のような目標」とも表現しています。

やりたくないことを書き出してみる


では、どんな目標を設定すればよいのでしょうか。

ここではダメな目標を紹介します。

1.他人から与えられた数値目標 →自分で主体的に立てた目標がない状態
2.努力しなくても達成できそうな目標 →フィードバックが結果の有無だけになりがち
3.世間一般でいいといわれている目標 →他人から与えられた目標と同じ

これを踏まえて、まずは思いついた目標を書いていきます。最初は質よりも量で、やりたいことをどんどん書き出していきます。

それでも「やりたいこと」「味わいたい気分」などが思いつかない人は、発想を転換して「やりたくないこと」を書き出してみます。逆転の発想で、これを理想の形に書き換えていきます。

この行動は自分の意外な心理に気づいたり、本当にやりたいことのヒントを掴んだりと、なかなか意味のあるものではないかと思います。

このようにして目標を明確にしたら、今度はそれをストーリー仕立てにして、最後にどんなゴールにしたいかを想像します。

ゴールイメージは出来るだけリアルなものがよいらしく、写真や絵などを集めるのもよいそうです。

目標の先にある目的とは?


さらに、「ぶっとんだ目標」の先にある「目的」を明確にしていきます。目的をはっきりさせることで「目標を達成したのに、なんだかしっくりこない」といった状況を回避することができます。

目的とは、目標を達成することでどんな未来を手に入れたいか、なぜ目標を達成したいかということ。これは、その人の価値観に根ざしています。

著者はたくさんの人をサポートする中で、人間の価値観は大きく3つに分類できると説いています。

1.人とのつながり 〜お客様から「ありがとう」といわれる、仲間から一目おかれるなど
2.達成感 〜商談成立、数値目標達成、昇進、資格取得など
3.技術の追求 〜独創性、スキルアップ、技術開発など

また、「ぶっとんだ目標」を書き出したら、仕事・社会貢献、お金・モノ、時間、人間関係、心身の健康、学び・趣味の6つの分野に分類し、いまの自分が興味をもっているものを明確にします。

ノートの書き方


後半では、行動イノベーションノートの作成方法を紹介しています。

ここで大切なのは書き続けること。とくに朝に書くことをすすめています。

詳しくは本書をご覧いただきたいのですが、「昨日一日で嬉しかったこと、感謝したいこと、よかったことを書く」「改めて、どう感じたかを書く」「今日一日、本当はどうしたいかを書く」「10秒アクションを書く」の4つのスペースに、自問して出てきたことを書いていく作業です。

重要なのは、書いて楽しいノートにすること。

ここに出てくる「10秒アクション」とは、目標に近づくための小さなアクションという意味。目標に向かうための最初の一歩こそが、大事だというわけです。

いまの自分の状況に悩んだり迷ったりしている方には、小さな意識改革になりそうな一冊です。

(編集部)