コラム | COLUMN
「電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり」

「気になる本はたくさんあるけれど、忙しくて、ついつい読まずに終わってしまう…」。そんなビジネスパーソンのために、仕事に役立ちそうな本、これからの人生をより豊かにしてくれそうな本を編集部がピックアップ。内容を“美味しいとこ取り”でご紹介します。今回はこちら…

ちょっと立ち読み〜ビジネスに強くなる本 第55回

「電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり」
ホイチョイ・プロダクションズ 著

講談社 / 460円 税別

2016-07-04

ビジネスパーソンならぜひとも身につけたい「戦略的気くばり」を網羅した本

広告業界における気くばりとは?


『私をスキーに連れてって』『バブルでGO!!』などのヒット作を生み出してきたホイチョイ・プロダクションズ。

『気まぐれコンセプト』『気まぐれコンセプト クロニクル』といった広告業界を舞台にした映画も制作しています。

そんなホイチョイ・プロダクションズが、広告業界における「気くばり」についてまとめたのが本書です。

歴史上の成功者はみんな気くばり上手


日本では昔から、気くばりが重要視されてきました。

たとえば、豊臣秀吉が木下藤吉郎時代、織田信長の草履を懐に入れて暖め、見いだされたエピソードは有名ですね。

ほかにも、長浜城主時代の豊臣秀吉が鷹狩りで寺に立ち寄った際、応対に出た石田三成が温度と量の異なるお茶を出し、秀吉の部下として登用されたエピソードなどもあります。

ビジネス界では、こんな逸話があるそうです。

日本初の民間放送を興し、プロ野球パシフィック・リーグ創設の立て役者ともなった小谷正一氏。

1955年、小谷氏がラジオ放送番組の収録用ホールを経営していた時、フランスからパントマイムの第一人者、マルセル・マルソーを招きました。

その際、夫に同行してきたマルソー夫人のお世話役の部下に、夫人がショッピングで迷って買わなかった商品を全部記録するようにと命じました。

部下から報告を受けた小谷氏は、マルソー夫妻が羽田を発つ時、それらの商品を箱に収めてプレゼントしたのです。その様子を見てマルソーは「コタニの招きなら、いつでも日本に来る」と言い残していったといいます。

これは、女性心理を考えての気くばりです。

女性が最後まで購入を迷った商品というのは、それだけ気に入ったという証拠。別のものを買ったとしても、後から「あちらを買えばよかった」と後悔することもあるものです。そうした心の動きを想像し、プレゼントを贈ったというわけです。

相手の気持ちを想像して動く


本書に掲げられた36通りの「気くばり」のうち、ここではいくつかをご紹介します。

・名刺は1ミクロンでもいいから、相手より下から出す。

日本には古くから、目上の人より高い位置に立たないという習慣があります。名刺交換もそれと同じで、出し方が第一印象を左右します。

・どうでもいい小さい仕事ほど、すぐに片付ける。

ちょっとした調べ物やコピー、届け物といった簡単な仕事は、できるだけ早く済ますようにします。小さいからと放っておくと「こんなこともできないのか」という悪印象を残してしまうからです。

・会議中に電話を受ける予定があるときには、事前に「途中、一本電話を受けてよろしいでしょうか」と断る。

ビジネスの世界では「目の間にいる人が一番」。会議の最中に電話がかかってくることが事前に分かっていたら、会議前に断っておくことで、「律儀な人」と好印象を得ることもできます。

・クリップは絶対に相手の社名や「御中」にかけない。

企業の顔である社名を大切に扱っているかどうか。その気持ちは資料を綴じるクリップひとつにも表れるものです。

・逆説の接続詞は口にしない。

「だけど」「やっぱり」「ですが」といった接続詞は使わないようにします。こちらが肯定しにくい話になったときには、「おっしゃる通りですね」「ご指摘はごもっともです」などと発言を肯定したあと、「ですが」ではなく、「このいうふうにも考えられないでしょうか」と話を繋ぎます。

ホイチョイ・プロダクションズの視点


本書で紹介される「気くばり」の中には、「これはちょっと極端なのでは?」と思われる行動も登場します。

しかしそのあたりも、心の機微をユーモアたっぷりに描くホイチョイ・プロダクションズならではの視点として捉えることができ、興味深く読み進めることができます。

実際に取り入れてみるのはもちろんのこと、雑談力アップにも役立ちそうな一冊です。

(編集部 Y.C)