コネクティッドソリューションズ社の
「画像技術」

より高度に、より鮮明に。セキュリティニーズに応える画像技術

駅や道路など公共の場から、小売店の店舗などビジネスの現場まで、さまざまな場所で社会の安心・安全を守っているのがパナソニックのセキュリティカメラだ。同社における監視カメラ開発の歴史は、実に60年にも及ぶという。その間、テクノロジーの進化とともに、時代はアナログからデジタルへ。あらゆるシステムがネットワーク化されるとともに、セキュリティカメラもクローズドな環境からより広い世界をつなぐようになった。

「そのような今の状況で求められるのは、これまでよりも精度の高い、鮮明な画像です」と語るのは、パナソニックで長年セキュリティカメラの開発に携わってきたセキュリティシステム事業部 有馬祐二氏。グローバル化でさまざまな人が行き来する街中、大規模イベントなど、社会におけるセキュリティニーズは高まる一方だ。それに応えるためには、監視に必要な情報をねらって撮影する「アクティブ・センシング」という技術が必要だという。それはどのような技術なのか、有馬氏に詳しく聞いた。

コネクティッドソリューションズ社
セキュリティシステム事業部
技術センター
有馬祐二氏

人物の「顔」や車の「ナンバープレート」を鮮明に捉える性能

セキュリティカメラが一般のカメラと大きく異なるのは、人間の「顔」や車の「ナンバープレート」など、エビデンス(証拠)となりうる重要な情報を、より鮮明に映し出す性能が求められるということだ。しかも、撮影環境が厳しいケースも多い。夜の暗闇、雨風が吹き荒れる屋外、逆光、さらには対象が高速で動くなど、難しい条件をクリアすることも不可欠だ。

「セキュリティで必要とされる画像を撮る際は、撮影に対する“協力行動”が得られません。むしろ、撮影する側にとって非常に難易度の高いシチュエーションが多い。しかし、どんなに過酷な環境でも、顔やナンバープレートを鮮明に捉えることができれば、犯罪を未然に防いだり、事件や事故をいち早く解決できるでしょう」(有馬氏)

車ならば、ナンバープレートはもちろん、色、形、車種まで特定できると、事件解決への貢献度がより高まる。また港湾を出入りする船なら、衝突事故のあとの擦り傷なども判別できるほどの精度が必要とされているという。

では、パナソニックの画像処理技術は、どのような撮像を可能にしているのか。その例をいくつか見てみよう。

●走行する車のナンバープレートを見逃さない

画像:インテリジェント・オート

上の写真は従来のカメラと、最新のパナソニックの技術(インテリジェント・オート)を反映したカメラ(i-PRO EXTREME)で撮像したものを比較したものだ。

狙った車の部分を拡大してみると、その差は明らかだ。

画像:インテリジェント・オート

従来の性能のカメラ(左)に対して、インテリジェント・オート機能を搭載したカメラは車種・ナンバープレートが識別できる(右)。

車が走行する道路上で、ナンバープレートをはっきり静止画に写し出すには、カメラのシャッタースピードを調整する必要がある。パナソニックのセキュリティカメラは、車のスピードを自動検出し、ぶれのないように選択した高速シャッタースピードで撮影を行っているのだ。さらに、シャッタースピードが速くなることで暗くなる画面は、デジタル的に調整することで最適な明るさに保っている(自動パラメータ設定)。

●逆光下でも人物の顔が黒くつぶれない

光の状態は、カメラが設置された環境によってはもちろん、時刻や天気によって刻々と変わる。セキュリティカメラは、それらの条件に柔軟に対応し、必要な撮像を行う必要がある。

画像:スーパーダイナミック

上右の画像は、逆光状態で肉眼でも暗く見える人物の顔を明るく鮮明に写すと同時に、背景もしっかり写し、状況がわかるように記録している。異なるシャッタースピードで撮影した2枚の画像を1枚に組み合わせることで、逆光で黒くつぶれがちな人物を、顔が判別できるほど明るく、白く飛んでしまいがちな背景を適切な露出に処理しているのだ(スーパーダイナミック)。

●昼間のような視界で、夜間撮影ができる

画像:カラーナイトビジョン

十分な光が得られない夜間の時間帯でも、そこで何が起きているのかを写し出すのがセキュリティカメラの役割。目が慣れるのに数分かかるような暗闇の中だとしても、パナソニックの画像処理技術を用いれば、明るい画像を撮影できる。高感度で撮影される画像はデジタル処理でノイズリダクションを行ない、ノイズの少ないクリアな状態で保存される(カラーナイトビジョン)。

セキュリティカメラが生み出す「新しい価値」

これらの技術・機能は、民生機器であるデジタルカメラ「LUMIX」に搭載されているiA(インテリジェントオート)を、セキュリティカメラのニーズに則して改良したものだ。パナソニックがB2Cで培ってきた「ものづくり」の技術力が、B2B分野でも遺憾なく発揮されている。

「パナソニックが持つさまざまな技術を、事業部間で連携して使うことができる。これがセキュリティカメラで60年以上にわたり研究・開発し、今年、創業100周年を迎える私たちの、ものづくりにおける最大の強みです」(有馬氏)

パナソニックは初めて監視カメラを発売した1957年以来、最高水準の機能を持つカメラやシステムを社会に提供しつづけてきた。そのものづくりの精神について、有馬氏は次のように話す。

「パナソニックにはものづくりを通して、『社会に貢献しよう』という企業風土があります。そして、私たち技術者は『常に向上心を持つトップ技術者でありたい』という強い思いを持っています。だから製品開発をするにしても、競合他社がここまでやるなら自分たちはもっと上を目指そうという姿勢で取り組んでいるのです」(有馬氏)

有馬氏をはじめ、パナソニックの技術者は顧客と直接会い、製品に関するヒアリングやニーズを集め、研究・開発に反映させているという。

「画像処理技術を生かしたセキュリティカメラは『新しい価値』を秘めています。たとえば、店内を撮影することで、従来の防犯対策だけではなく、来店するお客様の動線や、混み合う時間帯を分析し、マーケティングに生かすこともできる。セキュリティカメラの役割は今後ますます拡がっていくと考えています」(有馬氏)

有馬氏いわく、パナソニックがB2B事業で大切にしているのは「お客様の良きパートナーになること」。これからも最先端の画像処理技術を駆使したセキュリティカメラで、現場を支えていきたいと抱負を語ってくれた。

コネクティッドソリューションズ社 セキュリティ事業部技術センター 有馬祐二氏

ライタープロフィール

中野渡淳一(フリーライター):1965年、東京都生まれ。さまざまなB2B事例の取材の他、旅やカルチャーなど幅広い分野で、Web・紙媒体問わず執筆活動を行なっている。