株式会社AIS様

車両検査システム、 故障診断システム
中古車検査業務から事務作業へ、素早い切り替えが可能な 2WAYのPCが、検査員の働き方改革を支援。

中古車検査専門会社である株式会社AIS様(以降、AIS様)は、中古車流通における公平な第三者機関として、中古車の「車両検査」を4輪、2輪ともに実施されています。その厳正な検査は業界内で高く評価され、各大手自動車メーカー系中古車事業会社からも厚い信頼が寄せられています。同社は年々増加する検査の需要に対応するため、2003年に頑丈ノートPC TOUGHBOOK CF-M34を導入されて以来、さらなる効率化のため15年以上にわたりTOUGHBOOKシリーズをご愛用いただき、検査現場のIT化・業務効率化を推進。2017年にはタブレットとノートPCの両用ができる10.1型頑丈デタッチャブルPC TOUGHBOOK CF-20を導入され、検査員の「働き方改革」にも役立てられています。

写真:キーボードを取り付ければ事務所と同じ情報環境を利用できるため、場所を選ばず事務作業が可能に。検査員業務のモバイルワーク化を推進
キーボードを取り付ければ事務所と同じ情報環境を利用できるため、場所を選ばず事務作業が可能に。検査員業務のモバイルワーク化を推進。

写真:総合戦略部 システムチーム リーダー 菊池 兼輔 様
総合戦略部
システムチーム リーダー
菊池 兼輔 様
写真:検査部 ゼネラルマネージャー 平井 浩二 様
検査部
ゼネラルマネージャー
平井 浩二 様
写真:首都圏第二エリアオフィス 第一ブロック ブロック長 和木 淳 様
首都圏第二エリアオフィス
第一ブロック ブロック長
和木 淳 様

導入の背景

頑丈・高性能で検査現場のIT化に貢献したTOUGHBOOKを、より機動性、操作性の高いデタッチャブルモデルに移行

AIS様が2003年に初めてTOUGHBOOKを導入された際、中古車を検査した後の報告書作成業務の効率化が課題となっていました。従来は、検査員が現場で用紙に検査結果を記入した後、事務所のPCで報告書に打ち直しており、報告書の作成にかなりの時間がかかっていました。そのため以前はタイピング業者を雇い、事務処理を実施。また検査員ごとに記述の仕方が異なり検査結果に微妙な差異が出るという課題もあり、効率と精度、両方の向上を目指して、AIS様は現場でノートPCを用いて検査結果を直接入力する「車両検査システム」の開発・導入に取り組みました。当時からそのシステム運用端末として選ばれ続けているTOUGHBOOKの魅力について平井様は振り返ります。
「検査業務は日本全国の拠点で行うので、北海道から沖縄までさまざまな環境への耐性が必要です。また検査はスピーディーさが求められるため、従来はメモ用紙を挟んだバインダーを地面に無造作に放ってしまっていました。特に職人気質の高い年配の検査員はノートPCでもバインダー感覚でラフに扱う可能性が高く、一般的な端末では3日ともたないでしょう」。
そこで、高い耐衝撃性や温度変化への耐性、防水・防塵性などTOUGHBOOKの頑丈性が大きな魅力に。また、屋外での視認性も良い高輝度液晶や長時間の業務をこなせるバッテリー性能なども魅力となり、2007年からはTOUGHBOOK CF-19が導入されました。以来、ほとんど故障することなく業務効率化に貢献したTOUGHBOOKへの信頼から、検査現場での機動性を高めるためタブレット型のTOUGHPADシリーズも導入。しかし、現場でのキーボード入力の需要を再確認され、CF-19と同等のスペックを持ちながらデタッチャブルタイプとなったTOUGHBOOK CF-20を導入されたといいます。
「CF-19は検査時に何度も持ったり置いたりするには重量的に向かない部分がありました。CF-19の画面が外れたら非常に使い勝手が良い…と考えていた私たちにとって、画面が外せるCF-20はまさに待望のモデルでしたね」と菊池様。また、TOUGHBOOK、TOUGHPADを長年愛用するユーザー目線から、続けてこのような評価もいただきました。
「いろいろなタブレットやノートPCを見てきましたが、TOUGHBOOKシリーズは使用者目線で使い心地を考えた工夫がよくなされていると感じます。CF-20ではそれが少しずつ進化していますね。タブレットとして持った時のフィット感の良さや、細かい部分ですがUSBポートのカバーがスライド式になって開けやすくなったこと、ハンドル付きで持ち歩きやすいといったところも、便利だと思います」。

写真:検査中は端末を地面に置いたり、手に持ったりを頻繁に繰り返す必要があるものの、頑丈性の高いCF-20なら、故障の気兼ね無く使え、作業に集中。
検査中は端末を地面に置いたり、手に持ったりを頻繁に繰り返す必要があるものの、頑丈性の高いCF-20なら、故障の気兼ね無く使え、作業に集中。

導入のポイント

  • ポイント1 防水、防塵、耐衝撃など、検査現場に欠かせない頑丈性能
  • ポイント2 屋外でも見やすい高輝度液晶や 長時間の連続使用が可能なバッテリー
  • ポイント3 タブレットとノートPCの両用が可能なデタッチャブルモデル

導入のメリット

現場の検査支援端末として、個人PCとして、1台2役で検査員の業務をフレキシブルにサポート

AIS様では2017年にCF-20を導入し、全国の検査員へ支給されました。インストールされているのは、車両検査システムのほか、自動車内部のシステム系の故障を調べる専用機をBluetooth接続して使用する「故障診断システム」。現場での検査業務ではキーボードを外してタブレットとして使用し、またキーボードを装着したノートPCの状態では、社内イントラやメールによる取引先からの検査依頼確認や、実績の管理など事務作業に使用されています。
CF-20のメリットをお伺いすると、タブレット利用時には検査品質の向上と検査業務後の事務作業の大幅な省力化が実現。またノートPCとして利用する際には、事務所と同じ情報環境を外出先でも利用できることでモバイルワーク化が推進され、残業時間をCF-20の使用者全体の累計で月間100~200時間削減されました。

このようなメリットの詳細について、具体的な業務フローとともにお聞きしました。
まず検査業務については、検査員が中古車販売店などの取引先へ訪問し、現場でCF-20のキーボードを外してタブレット部分のみで使用。車両検査システムを起動し、中古車の損傷や修繕の度合いを目視で確認しながら、画面の車両展開図で損傷箇所をタッチして入力すると、同時に報告書が自動生成されていきます。車両情報など、長文の入力が必要になった時はキーボードを装着し、文章を素早く入力。中古車1台あたり15分~20分程度のスピードで、検査が終了します。
「車両検査システムの導入前は、紙より記入がしづらくなって業務に支障が出るのではと懸念する声もありましたが、導入後の検査業務のスピードは紙と比べても遜色が無く、導入後はむしろこれが無いと仕事にならないといった声や、前より良いという声に変わりました」と菊池様。
また検査業務後の報告書作成については、紙のメモを転記していた頃は検査後から取引先へ報告書を送付するまで最長1週間ほどかかっていたのが、現在は遅くとも検査翌日には報告書の送付が完了。検査台数増に貢献し、報告書作成にかかっていた人件費も削減されました。また検査基準が標準化されたことで検査品質のばらつきが無くなり、加えて紙よりもコメント欄に記入できる文字数が増えたことで、車両検査システムを利用した検査はお客様からの反応も良いと平井様。 「紙を使っていた頃は、コメント欄に記入できる文字数が限られていたため、略語を使って記載していたこともありました。そのため、新規のお客様に報告書を提出すると内容がすぐに分からないという課題もありましたが、現在は、より詳細で分かりやすくなったとお客様からも好評です」。

そのようなさまざまなメリットをもたらした車両検査システムを快適に使用できるCF-20の操作性の高さについて、現場で実際にCF-20を使用している和木様はこのように語ります。
「検査中は端末を地面に置いたり手に持ったりを繰り返すので、CF-20で画面が取り外せるようになり、軽くて持ちやすくなったのは有り難いです。屋内でも屋外でも画面が見やすく、画面をタッチした時のレスポンスも速いので、検査がスピーディーに進められます。検査は手袋をした状態で行うので手袋のまま操作ができる手袋モードは必須ですし、屋外での検査中に雨が降ってきても、水滴モードに切り替えれば問題無く使えるのが便利ですね。私たち検査員は職人気質の人間が多く、使う道具はドライバー1本にもこだわるのですが、そうした検査員の目から見ても、とても優れた道具だと思います」。

そして、現場での検査業務以外の事務作業についても、CF-20により業務効率化が実現しました。
従来は事務所のデスクトップPCを使っていたため、取引先への訪問前や訪問後に事務所に立ち寄って事務処理をする必要があり、特にブロック長など管理業務を担当する検査員の負担となっていました。CF-20の導入後は個人用PCをデスクトップPCからCF-20に置き換え、いつでもどこでも事務所と同じ情報環境を利用できるように。得意先訪問の合間にコンビニやカフェなどで、得意先から直帰して自宅で、と場所を選ばずにCF-20を使って日報作成やメール返信などの事務作業をすることが可能となりました。直行、直帰できる日が増えたことで残業時間が削減され、検査員の負担軽減につながったのはもちろん、働き方も変わってきたと和木様は語ります。
「無駄な時間が短縮された分、よりお客様とのコミュニケーションに時間を割けるようになりました。また、ちょっとした空き時間にCF-20を使ってお客様へメールでアポイントを入れておき、翌日の業務を効率良く進めていくことや、検査の合間にお客様からの依頼メールを確認して、飛び込み営業的に検査へ向かう機会を増やすこともできました。1日の仕事を組み立てやすくなり、時間を上手く使って効率的に働けるようになったと思います」。
また、和木様はCF-20を業務で使えることが、検査員のモチベーションアップにもつながると続けます。
「私たちの仕事はどうしても、現場でほこりや泥などで汚れながら働く…という泥臭いイメージもあります。それに対して、CF-20のように機能もデザインも洗練されたハイテク機器を使いながら働けるというのは、職人としての誇りを高めることにつながりますし、特に若い人にとってはモチベーションアップにつながると思います」。

そして端末の機器管理の面でも、タブレットとノートPCの役割を1台で果たせるCF-20ならではのメリットが。端末を複数台持つのに比べ、検査員が端末を管理する際の負担が軽減されるのはもちろん、端末にインストールするソフトウェアのライセンスが1台分に集約されライセンス料が削減できるため、AIS様では長期利用によるコスト的なメリットも期待されています。

  • 導入メリット1 報告書作成業務を大幅に省力化。検査精度の向上にも貢献
  • 導入メリット2 モバイルワークによる業務効率化で、残業時間を使用者全体で月100~200時間削減
  • 導入メリット3 検査員の情報端末を1台に集約し、管理・運用コストを削減
写真:CF-20は高性能CPU搭載のため、車両展開図などの画像データを何度も再描画する車両検査システムを待機時間無しで迅速に稼働。
CF-20は高性能CPU搭載のため、車両展開図などの画像データを何度も再描画する車両検査システムを待機時間無しで迅速に稼働。
写真:車両検査システムの検査項目入力中の様子。中古車の展開図の各部に指やタッチペンでタッチすると、故障や修復の状態を入力でき、検査業務終了後に報告書を自動生成できる。
車両検査システムの検査項目入力中の様子。中古車の展開図の各部に指やタッチペンでタッチすると、故障や修復の状態を入力でき、検査業務終了後に報告書を自動生成できる。
写真:MDMを利用した端末の集中管理で、本部から直接端末を操作することもでき、高齢の検査員へのサポートも万全。
MDMを利用した端末の集中管理で、本部から直接端末を操作することもでき、高齢の検査員へのサポートも万全。

TOUGHBOOKを活用したこれからの展望

検査員の増員に伴う導入台数増を予定。海外事業の拡大にも、CF-20の活躍に期待

このような業務効率化を続ける中、AIS様は年々、検査実績を伸ばされており、2016年度は78万台、2017年度は84万台と右肩上がりの推移を達成。さらに2018年度は90万台を目指すと平井様は語ります。
「需要の拡大に対応するため、今後は検査員の増員を予定していますが、それに合わせてCF-20も新たに導入していきます」。
またAIS様は、中国、タイ、マレーシアで試験的に海外事業を展開されていますが、現地人スタッフの教育においても、CF-20と車両検査システムを活用していくことを想定されていると平井様。
「海外でもAIS品質の検査を提供し、当社の認知を高めていきたいと考えています。そのための人材教育においては、言葉や文化、中古車に対する考え方など、日本とは異なる部分がネックにはなるのですが、車両検査システムで検査における評価基準が標準化できていることが今後の足がかりにもなっていくはずです」。


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導入機種

製品写真:10.1型頑丈デタッチャブルPC TOUGHBOOK CF-20

10.1型頑丈デタッチャブルPC TOUGHBOOK CF-20