株式会社セブン-イレブン・ジャパン様

POS接続型マルチ決済端末 「JT-R610CR」
マルチペイメントと省スペースを実現する組込型決済端末で、 多くのお客さまへ“おもてなし”を提供。

全国に20,000店舗以上を展開する株式会社セブン-イレブン・ジャパン様(以降、セブン-イレブン様)。オリジナルブランドであるセブンプレミアムの販売や、店頭での挽き立てコーヒーの販売、首都圏を中心としたイートインスペースの拡充など、「近くて便利」を掲げながら、業界をリードするサービスを次々と展開されています。また、1970年代に小売業界初となるPOSレジスター導入をはじめ、2006年から自社電子マネーnanacoの取り扱いを開始するなど、決済業務でも独自の戦略を展開される同社は、2020年に向けて決済サービスのさらなる充実を目指し、POSレジスターを刷新。より多様な決済手段への対応やセキュリティ強化をかなえる端末として、JT-R610CRを採用いただきました。

写真:非接触ICを利用した決済時の様子。nanacoの決済スピードを30%向上したのに加え、読み取り端末の設置角度を調整し、カードの置き忘れも防止。
非接触ICを利用した決済時の様子。nanacoの決済スピードを30%向上したのに加え、読み取り端末の設置角度を調整し、カードの置き忘れも防止。
写真:システム本部 店舗システム部 決済・サービスシステム マネージャー 篠沢良太 様
システム本部 店舗システム部
決済・サービスシステム マネージャー
篠沢良太 様

導入の背景

急速に多様化する決済ニーズへの対応や、セキュリティの強化へ。
事業規模の巨大さゆえの導入コスト・スピードの悩みをマルチ決済端末で解決。

セブン-イレブン様では、2006年のnanaco導入を契機に自社開発のPOSレジスターを刷新。その後、運用を続ける中で、決済サービスおよび決済ニーズの多様化への対応や、セキュリティ強化の必要性を感じ、2016年から新たなPOSレジスターの開発を始められました。しかしリニューアルに向けて決済端末を選定する際、全国20,000店以上の加盟店を展開するスケールメリットを持つがゆえの悩みがあったと、担当の篠沢様は語ります。
「決済端末の多くは、ひとつの決済手段に対しての専用端末となっており、対応する決済手段を増やすにはそれだけ設置端末を増やす必要がありました。ですが近年、決済手段がめまぐるしいスピードで多様化していく状況を見ても、そういった専用端末を全国20,000店以上の店舗に展開するのはコスト的にもスピード的にも見合いません。また、コンビニ業態はそもそも店舗の坪数が少ない中でレジカウンターのスペースを確保しているので、レジカウンターに端末を増やしたくないとも考えていました」。
そこでセブン-イレブン様では、POSレジスターに組込でき、1台で多様な決済手段に対応するマルチ決済端末であることを必須条件とされました。またセキュリティに関しては、従来からすでに高いセキュリティレベルを担保していたため、さらなる安心・安全を目指して最も厳しい国際基準PCI P2PE※1への準拠を視野に。JT-R610CRの検討においては、P2PE準拠の助けとなる「国際基準PCI PTS※2のセキュリティ要件SRED※3対応」であることが大きな魅力となりました。さらに、自社電子マネーnanacoをはじめとするカード決済時の読み取り速度を上げたいという課題に対し、ハードとソフトの両面からのアプローチが必要と考えられていたことから、パナソニックの総合メーカーならではの対応力にも期待され、JT-R610CRを採用されました。


導入のポイント

  • ポイント1 省スペースな組込型かつ、国内・海外の多様な決済サービスに1台で対応
  • ポイント2 PCI P2PE※1準拠の助けとなる国際基準PCI PTS※2のセキュリティ要件SRED※3対応
  • ハード、ソフト両方に強い総合メーカーの対応力

※1 PCI SSCによって定められたポイント・ツー・ポイント(2地点間)の暗号化に関するセキュリティ規格(PCI SSC: PCI Sec urity Standards Councilの略。2006年に、American Express、Discover FinancialServices、JCB International、MasterCard、Visa Inc.によって設立されたアメリカ合衆国デラウェア州で公認された有限責任会社(LLC))
※2 PCI SSCによって定められたPIN(暗証番号)を入力する装置に関するセキュリティ基準
※3 SRED(Secure Reading and Exchange of Data)と呼ばれる、PCI SSCがPCI PTSで定めるカード会員情報を読み取った瞬間に、そのデータを暗号化してセキュアに転送するなどといったセキュリティ要件


導入のメリット

世界最高のセキュリティ、処理スピード、対応種別の多様さで、レジカウンター対応へのこだわりを実現。「見えない便利」の拡充へ。

セブン-イレブン様では、日本の小売業界で初めてPOSレジスターを開発・導入して以来、POSレジスターを自社開発し続けることで蓄積したノウハウを生かし、JT-R610CRを組込んだ第7次POSレジスターを開発されました。
新POSレジスターでは、お客様側のモニターを15型へと拡大し、文字サイズも約2割大きくするなど視認性をアップ。決済端末部分は、従来からお客様側に設置されていた非接触ICの読み取り部分に加え、接触ICの読み取り口やPIN入力端末もお客様側に設置されました。磁気カードの読み取り端末は引き続きスタッフ側に設置しながらも、おおよそのカード決済はカード利用者自身で行える仕様となっています。またスタッフ側のインターフェイスは、入力キーの一部を液晶画面にし、将来的なカスタマイズを容易に。加えて、外国人や高齢者のスタッフでもマニュアル無しで使えるよう、タッチパネル部分の操作の誘導を充実し、直感的に使いやすいよう更新されました。

システム構成図

今回の刷新のメリットとして、篠沢様はまずセキュリティ面でお客様により高い安心・安全を提供できたと語ります。
「SRED対応端末の導入で、お客様と加盟店の方に、世界トップクラスの安心・安全なセキュリティ体制を提供でき、安心してお買い物いただける環境を整えることができました。また、お客様自身で操作することでカードの返し忘れもなくなりますし、特に海外の方にとっては自分で操作することで安心感もアップすると思います」。

導入前の課題であったカード決済のスピードについても、nanacoの処理速度を30%アップすることができたと篠沢様。
「端末自体の読み取り性能の良さが、まず影響していると思います。それに加えて、端末設置の仕方や読み取りシステムなど、ハード・ソフトの両面からレジスター本体の構造にかかわる相談ができたことがこの改善につながったのでしょうね」。
重ねて篠沢様が評価されたのが、nanacoの読み取りを行う非接触ICの設置について。従来は、読み取りのためにカードを置ける角度となっていましたが、お客様のカード置き忘れが多く発生していたという現場課題を解決するため、読み取り部分の角度を垂直に近づけることに。
「通常、非接触ICは読み取りのために寝かせた状態で設置されるものですが、読み取りができ、かつ置き忘れのないギリギリの角度を追求してもらいました。そのような調整ができたのも、POSレジスターの構造を熟知したメーカーだからこそと感じました」。

さらに、組込が可能でかつ色味もシンプルなJT-R610CRの仕様により、店舗デザインにもこだわるセブン-イレブン様の理想に沿ったレジカウンター環境となったと牛澤様。
「宅配便の取り扱いなど物理的にレジカウンターのスペースが必要なこともありますし、対面で接客しますからスッキリとしたイメージに保つことは大事ですね」。
加えて、レジカウンターを店頭でのお客様とのコミュニケーションの場として考えるセブン-イレブン様の開発への想いも語っていただきました。

「新しいPOSレジスターはお客様側のモニターを15型へと拡大したのも特徴なのですが、これはレジスターを『おもてなし端末』としたいという開発のコンセプトからです」と牛澤様。篠沢様も、こう続けられました。
「決済は、店舗でのお買い物における一番最後の体験になります。その最後の瞬間まで、心地よさを提供したいというのが私たちの目標でした。スムーズに決済を終えることは、一見当たり前のようにも見えますが、その当たり前こそ大事なおもてなしと私たちは考えています。自分が使いたい決済手段を、何の制約もなく選べること、スピーディーに、かつ安心して支払いができるという目に見えない便利さを、私たちが掲げる『近くて便利』のひとつとして今後も追求していきたいと思います」。


  • 導入メリット1 nanacoの処理スピードが30%UP。より快適な決済サービスの提供へ
  • 導入メリット2 シンプルで清潔なレジカウンター環境を実現
  • 導入メリット3 SREDへの対応で、顧客と加盟店に世界トップクラスの安心を提供

JT-R610CRを活用したこれからの展望

今後はセキュリティをさらに向上。ICクレジット対応など、より多様な決済に対応。

JT-R610CRを活用した新POSレジスターの今後の展望についてお伺いすると、引き続きセキュリティの強化に取り組むと篠沢様は語られます。
「今後も、セキュリティの水準をより高みへと引き上げるべく取り組んでいきます。当社のような規模で、24時間365日決済を行っている企業は世界的にも類を見ません。盤石なセキュリティ体制を確立することで、お客様、加盟店、そして世界への責任を果たしていくことが必要だととらえています」。
加えて、対応する決済手段を拡大していくことへも積極的に取り組まれると篠沢様は続けます。
「決済サービスの拡充については、2018年6月にApple Payのマルチポーリングへの対応を予定していますが、今後もICクレジットへの対応はもちろん多様なサービスへの対応を進め、お客様が決済手段を選ばれる際に何の妨げもないという環境を整えたいと思います。今では、お客様の方が自分が使っている決済手段について詳しい…という場面も多々ありますから、今回の刷新でスタッフの操作はなるべく簡単に、お客様自身が操作するようにしたことで、多様な決済に対応しつつもスムーズな処理が可能になるはずです」。
また、JT-R610CRを導入したPOSレジスターに、店舗の方も期待されていると牛澤様。
「今回初めて店舗向けの新商品発表会でPOSレジスターを公開しましたが、店舗の方からの反響が予想以上に高く、私たちも驚きました。従来は、サービスの多様化によってスタッフの教育に時間がかかり、それが店舗の負担ともなっていました。新POSレジスターはお客様にとってもスタッフにとっても直感的で使いやすく、スタッフ教育の時間を短縮できますから、省人化、省力化を進めながらも、より店舗での『おもてなし』へ力を入れていきたいですね」。


導入機種

製品写真: JT-R610CR

POS接続型マルチ決済端末 JT-R610CR