極楽映像社様

映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』 VARICAM 35&EVA1
コンパクトシネマカメラ「EVA1」を世界で初めて長編商業映画で利用。高い機動性でアクションシーンにも対応し、今後更なる活用の場が期待される。

VARICAM 35&EVA1で撮影、同じV-Logガンマ収録で色味合わせが容易 映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』

デュアルネイティブISOがアクションシーンやハイスピード撮影に大きな威力

2018年6月公開の映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』(製作委員会:TBSサービス、ポニーキャニオン、レスパスフィルム、極楽映像社、トリプルアップ)の撮影は、パナソニックの4Kカメラレコーダー「VARICAM 35」と最新コンパクトシネマカメラ「AU-EVA1」(EVA1)の2台体制で行われた。長編商業映画の撮影にEVA1が使用されるのは世界で初めて。
撮影を担当した極楽映像社 代表取締役の野澤啓氏は「小型・軽量のEVA1はハンディ・スタビライザーなどに装着でき、セカンドカメラとして非常に使いやすい。両カメラは同じV-Log※1を採用し、色合わせが容易に行えた。また、両カメラに装備しているデュアルネイティブISO※2は、アクションシーンが多く、ハイスピード撮影を多用する現場において大きな威力を発揮すると思う」と語る。監督・脚本は熊谷祐紀氏。制作プロダクションはレスパスフィルム、ポストプロダクションはレスパスビジョンが担当した。

※1:V-LOG;VARICAM/EVA1は14+ストップの広いダイナミックレンジを搭載。V-Logモード時のカラースペースV-GamutはBT.2020カラースペースをフルにカバーする広い色域を実現して いる。
※2:デュアルネイティブISO;パナソニック独自の技術により、ISO 800とISO 5000(ただしEVA1はISO 2500)の2つの基準感度をイメージセンサーに搭載。この機能実現のため、 イメージセンサーの各画素に2系統の専用アナログ回路を実装し、ゲインの前で2種類のネイティブISO用アナログ回路を切り替えることにより、ゲインでのノイズを増やすことなく超高感度を実現している。

写真:セカンドカメラのEVA1は小型・軽量さを生かし、イージーリグ搭載などのアクティブな撮影で威力を発揮
セカンドカメラのEVA1は小型・軽量さを生かし、イージーリグ搭載などのアクティブな撮影で威力を発揮。
写真:カメラを操作するカメラマン

長編商業映画の撮影において世界で初めてEVA1使用

『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』の撮影には、メインカメラとしてVARICAM 35、セカンドカメラとしてEVA1が使用された。
極楽映像社では、CINE GEAR 2017で発表されたEVA1をいち早く導入し、同映画の撮影に“VARICAM 35+EVA1”の組み合わせによるマルチカメラを活用した。
野澤啓氏は「今回の映画ではマルチカメラが必須だと考えていました。機材の組み合わせについては撮影開始直前まで迷いましたが、低照明下での撮影やアクションシーンも多く、ハイスピードを多用する撮影において非常に使いやすいデュアルネイティブISO機能を装備した“VARICAM 35+EVA1”の組み合わせによる撮影を提案しました」と話している。
なお、撮影では、VARICAM 35、EVA1のほか、サブカメラとして4K対応POVCAMやウェラブルカメラなど、各種パナソニックのカメラレコーダーが活用された。

写真:メインカメラのVARICAM 35は三脚やスライダードリーに固定してじっくりと撮影
メインカメラのVARICAM 35は三脚やスライダードリーに固定してじっくりと撮影。
写真:カメラを操作するカメラクルー

カメラごとに異なる2種の4Kフォーマットで収録

『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』の撮影現場では、V-Logによる4K DCI仕様の収録を行った。
記録フォーマットはVARICAM 35がAVC Intra 4K444、EVA1では422 LongGOP 150Mを使用。記録メディアはVARICAM 35はexpressP2カード、EVA1はSDメモリーカードで、記録フォーマットと記録メディアともに異なるが、違和感はなかったという。毎日、2種類のカードからHDDにバックアップを取りつつ、撮影した4K素材は全てレスパスビジョンに集められ、編集およびカラーグレーディングが行われた。
極楽映像社 撮影技術/VEの小林謙一氏は「今回は引きと寄りの2台同時撮影もあるため、現場では2台のカメラの色合わせがシビアになるのではないかと考えていましたが、同じパナソニックのV-Logなので、色味的にすごく合わせやすく、使い勝手が良いという印象でした」と振り返る。


V-Logの使用でカラーマネジメントがしやすく柔軟に運用

撮影素材のオリジナルV-logを直接インポートし、コンフォームした。グレーディング/フィニッシングは4K Color grading suite「E-1:FilmLight Baselight TWO」で行われた。
レスパスビジョン VFXスーパーバイザーの須賀努氏は「映画は2018年6月の公開予定ながら、3月開催の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」への出品が急きょ決まったため、最短のポストプロダクションワークフローを採用しました。通常はカラコレ前のlogファイルをCG/VFX向けにDPXで書き出しますが、今回はスケジュール短縮を前提に、最初にカラーグレーディングを行ったカットでCG/VFX作業を行い、最終的にBaselightでファイナルグレーディング/フィニッシングを行っています」という。
グレーディング/フィニッシングはレスパスビジョンカラリストの金倞兌氏が担当した。
金氏は「当社ではグレーディング/フィニッシングルームを9室有していますが、2017年末に導入したBaselightでは初の映画作品となりました。私自身はこれまで、VARICAM 35の素材は多く扱ってきましたが、リリース間もないEVA1は今回が初めてでした。同じV-Logを使っていることで、カラーマネジメントがしやすく柔軟に運用することができました」としている。

写真:レスパスフィルム「E-1:FilmLight Baselight TWO」におけるグレーディング&フィニッシングの作業を行う金倞兌氏
レスパスフィルム「E-1:FilmLight Baselight TWO」におけるグレーディング&フィニッシングの作業を行う金倞兌氏

EVA1最大のメリットは機動力

極楽映像社では、VARICAM 35やEVA1をはじめとする各種4K/8Kカメラを所有しており、予算やスケジュール、使用環境など様々な条件によってカメラを使い分けている。さらに、社内には4Kに対応した編集設備やカラーグレーディング設備も装備しており、撮影から編集、完パケまでのトータルな4K制作業務も提供している。映画、テレビCMに加え、ミュージックビデオやライブビデオ、大型映像、企業VPとジャンルは幅広いが、同社が現在手がける撮影業務のほとんどが4Kにシフトしてきているという。
今回の“VARICAM 35+EVA1”の組み合わせについて、野澤氏は「カメラは特性・特徴がそれぞれ違いますが、スピード感が求められるアクションものの撮影には、VARICAMやEVA1が持つデュアルネイティブISO機能が適していると思います。今回の撮影でも、ライブシーンなどの暗いシーンでハイスピード撮影を行う際、EFの少々暗いレンズでもデュアルネイティブISOが使えるので非常に助かりました」とする。
一方、EVA1の最大のメリットとして“機動力”を挙げる小林氏は「とにかくサイズ感がいい。今回もイージーリグに載せて使っていますが、本当に軽い※1ですし、グリップも使いやすい。オプション周りも色々と揃えていけば、面白いことがどんどんできそうな気がします。最新ファームアップで、カメラ本体でのALL-Intra(400Mbps)コーデック記録と外部レコーダーによる5.7K RAW 出力に対応すれば※2、もう完璧なカメラ。EVA1の活躍の場は増えると思います」と話している。

※1:カメラ本体約1.2Kg/撮影時約2.05Kg
※2:2018年3月本体ファームウェアのバージョンUPで対応済み。

写真:極楽映像社 代表取締役 野澤 啓 氏
極楽映像社 代表取締役 野澤 啓 氏
写真:極楽映像社 撮影技術/VE 小林 謙一 氏
極楽映像社 撮影技術/VE 小林 謙一 氏

ワークフロー図

ワークフロー図

主な納入機器


新感覚ガールズアクション・ゾンビ映画『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』

『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』は、アイドルにゾンビが合体し、パルクールなどのアクションもふんだんに取り入れた、手に汗握る新感覚ガールズアクション・ゾンビ映画。2017年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭出品『ゆるい-特別版-』や、レスパスビジョンとレスパスフィルム 代表取締役の鈴木仁行氏初企画作品で3月3日公開の映画『ラーメン食いてぇ!』も手がけている熊谷祐紀監督は「アイドルやコメディ、ハードボイルドなど様々な要素も併せ持った特殊な世界観の“楽しく観られるゾンビ映画”」と述べている。
主演は、アイドルグループSUPER☆GiRLSの人気メンバーとして、『人狼ゲーム マッドランド』『恋と嘘』『honey』(3月公開)等の映画や、グラビアでも“1000年に一人の童顔巨乳”と称され、2017年には多くのコミック誌の表紙を飾った浅川梨奈。同作でも人気アイドルでありながら、ゾンビに噛まれてしまう主人公を演じている。
共演は、『ストリートファイター 暗殺拳』、TVドラマ『デスノート』の尚玄、SUPER☆GiRLSの阿部夢梨、尾澤ルナ、男性ボーカルグループSOLIDEMOのメンバーである中山優貴、山口智也、声優や歌手として活躍している星守紗凪、“関東一女子高生ミスコン2013”グランプリの古泉千里、『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』の井澤勇貴などとなっている。

写真:『トウキョウ・リビング・デッド・アイドル』ポスター