宮城県栗原市 栗原文化会館(アポロプラザ)様

ホール音響設備
フルデジタル化によって音質と操作性が向上した最新のホール音響設備を導入。

最新のホール音響設備が導入された栗原文化会館(アポロプラザ)様 大ホール

宮城県栗原市は宮城県北西部に位置する宮城県最大の面積を持つ地方自治体で、栗駒山を含む栗駒山地は栗駒国定公園に指定されています。市内中心部には、東北新幹線のくりこま高原駅があり、その他にも東北本線が通り、東北自動車道築館インターチェンジ・若柳金成インターチェンジの二つのインターチェンジを有しています。また国道4号線が南北に、国道398号線が東西に走るなど、交通の要所としても知られています。

今回、新たなホール音響設備を導入された栗原市築館にある栗原文化会館(アポロプラザ)様は、座席数1,000席の大ホールの他、展示室、資料室、会議室などを有する文化施設で、地域の方々が音楽などの芸術を鑑賞したり自らの創作や発表活動を行う場として、地域の文化活動へ大きな役割を果たしています。

写真:宮城県栗原市 栗原文化会館
宮城県栗原市 栗原文化会館
写真:栗原文化会館 大ホールロビー
栗原文化会館 大ホールロビー
写真:舞台側から見た大ホール
舞台側から見た大ホール。

概要と特長

今回栗原文化会館様では、大ホール音響設備の老朽化に伴い、最新のホール音響設備を導入されました。
最大の改修のポイントは、「オーディオ信号のデジタル伝送化」に対応した点です。
そのため、現在の設備音響のデジタル伝送方式の業界スタンダードである「Dante Audio Network」を採用したRAMSAブランドの最新の設備向けPA機器「Auditorium Series」をベースとしたシステムを導入されました。
RAMSA デジタル・コンソール WR-DX400を中心として、音の入口から出口までがフルデジタルで伝送できるようになったことから、自由度の高いシステム構築が可能となり、また、アナログ信号の長距離伝送で見られたような音質劣化やノイズ混入が起こらないため、ステージ上の生演奏やスピーチ等の様々なソースを高品位な音質で拡声することが可能になりました。
また、ネットワークの伝送路を2重化することにより、開演中に断線や機器のトラブルが発生しても、音切れやノイズを発生させること無くネットワークを切り替えることが可能になっています。

写真:調整室に導入されたRAMSA デジタル・コンソール WR-DX400
調整室に導入されたRAMSA デジタル・コンソール WR-DX400。
写真:舞台袖ミキサーワゴンとはDanteでデジタル伝送
舞台袖ミキサーワゴンとはDanteでデジタル伝送。
写真:効果機器卓に設置されたデジタルミキサー操作ユニットWR-PU100
効果機器卓に設置されたデジタルミキサー操作ユニットWR-PU100。

次のポイントはデジタル化によって操作性が大幅に向上した点です。フルデジタル化により各機器の制御・監視はネットワークを介して行うようになったため、

  • デジタル・コンソール(オーディオミキサー)の設定・データ保存
  • デジタルプロセッサーの設定(イコライザーやディレイ調整)
  • スピーカプロセッサーの設定、調整

などの操作が、調整室内の制御用パソコンで簡単に一括管理できるようになりました。
またタブレットを用いた遠隔操作での設定、調整も可能になったので、客席内の各所で、実際にお客様が聴く音の状態を確認しながら作業を進めることが可能になりました。

栗原文化会館様のように様々な種類のイベントのオペレーションが必要となるホールでは、デジタル化によって操作性が向上したことによって、仕込みから本番までスピーディーな対応が可能となり日々の作業の軽減化に貢献しています。

写真:デジタル化によりコンパクトになった電力増幅架(左)と入出力パッチ架(右)
デジタル化によりコンパクトになった電力増幅架(左)と入出力パッチ架(右)
写真:デジタルプロセッサーの設定を行う制御用パソコン
デジタルプロセッサーの設定を行う制御用パソコン。
写真:タブレットを用いて客席エリアでデジタル・コンソール(オーディオミキサー)を操作
タブレットを用いて客席エリアでデジタル・コンソール(オーディオミキサー)を操作。

加えてホール内既存のスピーカー設備を刷新した点も大きなポイントです。今回の改修ではプロセニアムスピーカー、プロセニアムサイドスピーカー共に、デジタル時代の設備用音響スピーカーとして新たに設計されたRAMSAスピーカーシリーズを導入することで、各席の全エリアに於いて必要な音圧と明瞭で臨場感のあるリスニングが可能になりました。スピーカーの設置に際しては、綿密な位置・角度調整を行ったため、最終的にはホール内各場所での音圧分布レベル差±6以内という均一性が確保されました。そのため場所を選ばす、どの客席に於いても高品位でバランスの取れた聴取が可能となりました。特に音の明瞭度が上がり、どの場所においてもスピーチの内容が聴き取りやすいホール音響が生まれました。

写真:プロセニアム上部スピーカーは38cm 2ウェイのWS-HP400を4台設置
プロセニアム上部スピーカーは38cm 2ウェイのWS-HP400を4台設置。
写真:プロセニアムサイドスピーカーにもWS-HP400を4台設置
プロセニアムサイドスピーカーにもWS-HP400を4台設置。
写真:他のスピーカー同様、プロセニアムサイドスピーカーも正確な位置調整(高さ、向き)を施している
他のスピーカー同様、プロセニアムサイドスピーカーも正確な位置調整(高さ、向き)を施している。
写真:4台のステージフロントスピーカー
4台のステージフロントスピーカー。
写真:ステージフロントスピーカーには12cmコーンWS-M10T-Kを使用
ステージフロントスピーカーには12cmコーンWS-M10T-Kを使用。
写真:可動式のステージスピーカーは30cm 2ウェイのWS-AR200-Kを4台導入
可動式のステージスピーカーは30cm 2ウェイのWS-AR200-Kを4台導入。

その他にも多数のワイヤレスマイクロホンを新たに導入し、合わせて三点吊マイク装置を電動化するなど、既設機器の老朽化対策も視野に入れた安全性確保やオペレーションの効率化を図った改修を施しました。

写真:目的に応じて用意されたワイヤレスマイクロホン
目的に応じて用意されたワイヤレスマイクロホン。
写真:昇降が電動化された三点吊マイク
昇降が電動化された三点吊マイク。
写真:デジタル化されてスッキリした舞台袖音響パッチ盤
デジタル化されてスッキリした舞台袖音響パッチ盤。

お客様の声

栗原市教育委員会 栗原文化会館
主幹兼館長 菅原初男様

栗原文化会館は地域の皆さまに手軽に一流の文化芸術に触れていただくことと、そして皆さまの発表の場としての活動を続けています。それを活性化する上でも、開館以来30年となる当ホールにおいて、先ずは音響設備の改修を目指しました。今回、最新のホール音響設備を導入できたことによって、音質が良くなった事に加えて、機器の操作性も上がりました。そこでこれからはアーティストの公演を聴きに来ていただくだけでなく、地域の方々が一緒に参加してプロのアーティストとコラボレーションするような企画にも利用していきたいと思っています。

写真:栗原市教育委員会 栗原文化会館 主幹兼館長 菅原初男様
栗原市教育委員会 栗原文化会館
主幹兼館長 菅原初男様

主な納入機器 ソリューション

音響調整卓

  • コンソール型デジタルミキサー WR-DX400 x 1台
  • 16ch入出力Danteカード WR-PC001 x 2台

効果機器卓

  • デジタルミキサー操作ユニット WR-PU100 x 1台

入出力パッチ架

  • ワイヤレス受信機 WX-R822 x 3台
  • ワイヤレス混合分配器 WX-R901 x 1台
  • ラックマウント型デジタルミキサー WR-DX100 x 1台
  • 16ch入出力Danteカード WR-PC001 x 1台

電力増幅架

  • デジタルプロセッサ Q-SYS CORE 500I x 1台
  • デジタルパワーアンプ(360W×4ch) WP-DN360 x 3台
  • パワーアンプ(Hi-Z/120W×2)WP-H122 x 3台

プロセニアムスピーカー

  • 38cm 2ウェイスピーカー WS-HP400 x 4台

プロセニアムサイドスピーカー

  • 38cm 2ウェイスピーカー WS-HP400 x 4台

ステージフロントスピーカー

  • 12cmコーン形スピーカー(TR内蔵) WS-M10T-K x 4台

ウォール効果スピーカー

  • フルレンジスピーカーユニット FF225WK x 6台

ステージスピーカー

  • 30cm 2ウェイスピーカー(ブラック) WS-AR200-K x 4台
  • FBスピーカー WS-AR080-K x 2台

マイクロホン類

  • ワイヤレスマイクロホン WX-TB816-K x 2台
  • ワイヤレスマイクロホン(コンデンサー型) WX-TB821-S x 2台
  • ツーピースワイヤレスマイクロホン WX-TB841 x 2台
  • 可搬B型ワイヤレスアンテナ WX-RB922 x 4台