富山大学 工学部様
導入の経緯
人材育成の拠点となる施設に、映像表示装置として新たな演出を展開
富山大学工学部様は、広く深い教養と専門的知識の習得、それらを諸課題に応用できる独創性教育、さらに、地球や人間に優しい環境教育、国際社会に対応できる語学や情報教育を重視し、豊かな人間性を持った優秀な技術者や研究者を育成する高等教育機関です。前身となる高岡工業専門学校の開校から約70年を経て、現在は電気電子システム工学科、知能情報工学科、機械知能システム工学科、生命工学科、環境応用化学科、材料機能工学科の6学科が設置されています。
工学部様では、共同化・表出化・連結化・内面化の4つのステップによる知識創造行動「アクティブラーニング&イノベーション創出プロセス」の誘引をコンセプトに、アクティブで多様な教育を実現し、問題解決に十分な対応力を有する人材を育成するために新たな講義棟の設置を決定。2015年4月、多目的ホールやアクティブラーニングスペース、産学共同スペースを備えた「総合教育研究棟(工学系)」が完成。
エントランスに設けられたサイネージシステムにはマルチスクリーン対応液晶ディスプレイを、多目的ホールの映像表示装置には3チップDLP?方式プロジェクターを導入いただきました。
12台の液晶ディスプレイで、マルチスクリーンを構成したサイネージシステムをエントランスに設置
総合教育研究棟の新設にあわせて、液晶ディスプレイによるマルチスクリーンをエントランスに設置し、学生や教職員向け案内のペーパーレス化に取り組むことを決定されました。
そこで、
- 情報掲示板として、工学部様の6学科それぞれの情報を分かりやすく、効率的に表示。
- 学会やオープンキャンパスなどイベント開催時のウェルカムボードとしても使用可能。
- ステージ正面/ホール内全景/発表資料などの複数映像を同時に表示。多目的ホールで行われている講演会などの様子をリアルタイムに表示。
など、さまざまな用途に対応できるサイネージシステムを提案。700cd/m2の高輝度、広い視野角、超狭額縁デザインといった特長を持つ55V型液晶ディスプレイTH-55LFV70Jを縦2台×橫6台構成のマルチスクリーンで採用いただきました。
さまざまな用途に使用される大ホールに、高輝度プロジェクターシステムを導入
228名を収容する多目的ホールは、多人数での授業のほか、学会の開催や外部講師を招いての講演会、キャリア教育など、さまざまな用途で使用されます。ホール内の映像表示装置には、
- 20000lmの高輝度で、明るい室内でも映像をしっかりと表示。
- 短焦点のレンズを使用して、限られたスペースで250インチの大画面スクリーンへの投写に対応。
- 設置性に優れる小型軽量デザインと、4灯式光学システムや防じん構造の光学ブロックなど、信頼性を高める機能を搭載。
といった特長が高く評価され、3チップDLP?方式プロジェクターPT-DZ21KとズームレンズET-D75LE30、250インチのスクリーンを採用いただきました。
システムの紹介
マルチスクリーンによる多彩な表示パターンを実現した、サイネージシステム
サイネージシステムでは、工学部様紹介コンテンツやウェルカムボード用コンテンツ、休講/補講など掲示情報をサイネージサーバーに蓄積。ネットワーク上のパソコンからwebブラウザを使用して、簡単に情報の更新や表示のスケジューリングなどを設定できます。コンテンツデータと多目的ホールからの映像信号は、DVIマトリクススイッチャーに入力され、映像信号と制御信号をLANケーブル1本で、エントランスに設置されたマルチスクリーンに伝送します。
マルチスクリーンは、12台の液晶ディスプレイ(TH-55LFV70J)で構築されており、さまざまに組み合わせることで多彩な表示を可能にしています。
「多目的ホール講義配信連携」では、室内AV卓でのワンタッチ操作で、室内2基のHDカメラ映像と演台からの入力信号をそれぞれ2×2面のディスプレイに拡大表示。ディスプレイ下に設置したスピーカーで室内音声も出力できるため、さながら室内で講義を聴くのと同様の視聴環境を実現しています。
用途に合わせて、最適な表示パターンを選べるマルチスクリーン
表示のパターンとコンテンツをスケジューリングして、工学部様の紹介やウェルカムボードにも活用しています。
簡単な操作で、さまざまな映像ソースからの映像を大画面表示。BDレコーダーで講演会などの録画にも対応
多目的ホールには演台とAV卓を設置。演台には、HDMI、DVI、PC、ビデオの入力端子が設けられており、発表者が必要とする機器を接続。映像信号は同軸ケーブルを用いてAV卓に送信されます。
AV卓には、BDレコーダーなどのほか、プロジェクターの表示映像やBDレコーダーの録画映像を確認するモニターを装備。タッチパネルシステムを使用して、簡単に操作できます。多目的ホールはさまざまな用途で使用されるため、室内前方の左右に端子盤を設けてAV卓と室内後方の機器収納架を接続することで、演台やAV卓のレイアウトに自由度を持たせています。また、タブレット端末を利用したワイヤレス操作も可能です。
室内のほぼ中央と前方橫にHDカメラを設置。AV卓から送られた映像信号とともに、機器収納架のマトリクススイッチャーに入力。AV卓のタッチパネル操作で、プロジェクター(LP-DZ21K)で表示する映像や、BDレコーダーで録画する映像を選択できます。
さらに、講演会などの様子を室外の12面マルチスクリーンでリアルタイムに表示する「多目的ホール講義配信連携」のため、サイネージシステムにも映像信号が伝送されます。
導入を終えて
マルチスクリーンでのサイネージシステムに満足。さらなるシステムの拡充も視野に入れ、一層効果的な“見える化”を図る
今回導入いただいたサイネージシステムについて、堀田工学部長様から「多目的ホールの外側で、ホール内で行われている講演会などを発表資料とともに大画面表示することで、ホール内の“見える化”が実現できたため、学生たちがこれまで以上に各種セミナーや学会などに対して関心を持つようになりました。」とご感想をいただきました。また、多目的ホールのプロジェクターも、とても明るく鮮明な映像とご満足いただいています。
オープンキャンパスなど高校生、一般の方が来校されるイベントでは、今回導入したサイネージシステムで工学部様の紹介コンテンツを放映することによって、学部をアピールする効果的な運用が可能となっているそうです。
さらに「現在のシステムはまだ第一歩の状況です。今後は多目的ホールに限らず、総合教育研究棟内の他の講義室や、学内のいろいろな場所にもサイネージシステムを導入し、より“見える化”を進めたいと思います。」と、今後のビジョンについてもお話しいただきました。
システム構成図
主な納入機器 ソリューション
- 3チップDLP?方式プロジェクター PT-DZ21K ×1台
多目的ホール
- マルチスクリーン対応液晶ディスプレイ TH-55LFV70J ×12台
サイネージシステム