国立大学法人 長崎大学様 グローバルヘルス総合研究棟

IT活用講義収録・配信システム
新設した大学院研究棟にIT活用講義収録・配信システムを導入。

導入の背景

長崎大学様では2015年、全地球規模の医療と健康の課題を解決する人材を育成するため、大学院医歯薬学総合研究科熱帯医学専攻と国際健康開発研究科国際健康開発専攻を発展的に組織統合し、熱帯医学・グローバルヘルス研究科(修士課程)グローバルヘルス専攻を開設されました。
熱帯医学や感染症分野における長崎大学の伝統と実績を活かし、これまで以上に国際医療に貢献していこうという取り組みです。

長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科は、熱帯医学、国際健康開発、ヘルスイノベーションの3つのコースで構成されており、疾病の種類や途上国、先進国などの地域を問わず、医学や疫学、統計学、文化人類学など広い視点から全人類の健康について解決していく人材の育成を目指しています。

このたび新設された研究棟は、地上5階建て、延べ床面積が約3,000平方メートルの施設内に、数多くのセミナー室、オープンラボ、スタディルームなどが完備されています。
今回、パナソニックのIT活用講義収録・配信システムをご導入いただき、棟内全教室で講義映像の収録・配信が可能になりました。また、テレビ会議システムを使った世界中の複数箇所と同時に行う講義や会議内容の収録も可能になりました。

写真:法人 長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科
国立大学法人 長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科
写真:グローバルヘルス総合研究棟
グローバルヘルス総合研究棟
写真:1階エントランスホールに設置されたデジタルサイネージ
1階エントランスホールに設置されたデジタルサイネージ。

システムの概要と特長

今回、熱帯医学・グローバルヘルス研究科様が導入された講義収録・配信システムは、ネットワークカメラを使用して、講義や会議の収録・変換・配信を自動で行うシステムです。いままでのシステムでは長時間必要としていた収録から配信までの作業が、全て自動化され、

  • 設備+自動化でコンテンツ配信が簡単
  • 特殊器材を使用せずに構築、運用が可能
  • 他システムとの連携やカスタマイズで高機能化が可能

熱帯医学・グローバルヘルス研究科様では、研究棟内にある下記のセミナー室や会議室にネットワークカメラを導入し、講義や会議の収録を行われています。また、各教室には最新の映像音響システムが導入され、簡単な操作で機器を活用できるようになっています。

●1階大セミナー室
直観的なグラフィック操作のタッチパネルで、プロジェクターや液晶ディスプレイへ表示する映像の選択や、音量調整・電動スクリーン・カメラポジション・講義収録の開始/停止の操作が可能

●1階会議室
会議用の掲示資料を簡単に表示できる映像音響システムを完備

写真:2系統独立した映像を選択できる1階大セミナー室
2系統独立した映像を選択できる1階大セミナー室。
写真:タッチパネルコントローラーを装備し簡単に操作できる映像・音響操作卓
タッチパネルコントローラーを装備し簡単に操作できる映像・音響操作卓。
写真:各種映像・音響機器ラック
各種映像・音響機器ラック
写真:天井面に設置されたプロジェクターとHDカメラ。HDカメラは2台設置し、講義収録やTV会議に使用
天井面に設置されたプロジェクターとHDカメラ。HDカメラは2台設置し、講義収録やTV会議に使用。

●3階実習ラボ室
プロジェクターを設備した講義室仕様

写真:プロジェクターの映像を100型電動クリーンへ投影できる実習ラボ室
プロジェクターの映像を100型電動クリーンへ投影できる実習ラボ室。
写真:天井面に設置されたHDカメラとプロジェクター
天井面に設置されたHDカメラとプロジェクター。
写真:前面ボタンで映像切り替えが行えるデジタルマルチスイッチャーを装備した映像・音響ラック
前面ボタンで映像切り替えが行えるデジタルマルチスイッチャーを装備した映像・音響ラック。
写真:壁面に設置されたRAMSA コンパクトスピーカー
壁面に設置されたRAMSA コンパクトスピーカー。

●4階小セミナー室 3部屋
●4階中セミナー室 2部屋
プロジェクターを設備した講義室仕様

写真:小セミナー室、中セミナー室ともに、タッチパネルによる簡単操作で、プロジェクター・電動スクリーン・映像選択・音量調整・カメラポジション・講義収録開始/停止の操作ができる
小セミナー室、中セミナー室ともに、タッチパネルによる簡単操作で、プロジェクター・電動スクリーン・映像選択・音量調整・カメラポジション・講義収録開始/停止の操作ができる。
写真:天井面に設置されたHDカメラとプロジェクター
天井面に設置されたHDカメラとプロジェクター。
写真:壁面に設置されたRAMSA コンパクトスピーカー
壁面に設置されたRAMSA コンパクトスピーカー。

●5階中会議室
投票機能付き赤外線会議システムを導入

●5階小会議室
会議用の掲示資料を簡単に表示できる映像音響システムを完備

写真:中会議室には投票機能付赤外線会議システムを導入
中会議室には投票機能付赤外線会議システムを導入。
写真:議題映像やTV会議映像を映写するプロジェクター
議題映像やTV会議映像を映写するプロジェクター。
写真:天井吊り下液晶ディスプレイには投票結果や残時間を常時映写
天井吊り下液晶ディスプレイには投票結果や残時間を常時映写。
写真:コントローラーのボタン操作により、プロジェクターの映像選択や電動スクリーン操作が可能
コントローラーのボタン操作により、プロジェクターの映像選択や電動スクリーン操作が可能。

収録されたコンテンツはPCで手軽に視聴できます。視聴画面は2動画(講師画面とVPに投影しているプレゼンテーション画面)が1画面で表示されており、必要な動画をクリックするとその画像の1画面表示に成ります。この機能により、プレゼンテーション画面で小さい文字等を確認できるため、ストレス無く繰り返し学習などの効果的な学習支援を実現できます。

写真:収録された講義は、ログイン後、カレンダー画面に表示された授業コンテンツを選択することにより視聴可能
収録された講義は、ログイン後、カレンダー画面に表示された授業コンテンツを選択することにより視聴可能。
写真:視聴画面は2画面表示
画像をクリックするこ
とにより
1画面表示も可能
視聴画面は2画面表示
画像をクリックするこ
とにより
1画面表示も可能。
写真:別室に設置された講義収録・配信用サーバ。1台のサーバで複数の教室での同時収録が可能
別室に設置された講義収録・配信用サーバ。1台のサーバで複数の教室での同時収録が可能。
写真:持ち運び可能な同時通訳システム。大セミナー室で
行う国際的な
会議やシンポジウム等に活用
持ち運び可能な同時通訳システム。大セミナー室で
行う国際的な
会議やシンポジウム等に活用。
写真:同一室内で同時に4ヶ国語(4チャンネル)の同時通訳が可能
同一室内で同時に4ヶ国語(4チャンネル)の同時通訳が可能。
写真:ディスカッションルームには
学生が持参したPCタブレットを
複数台同時表示可能なネットワーク
液晶ディスプレイを設置
ディスカッションルームには
学生が持参したPCタブレットを
複数台同時表示可能なネットワーク
液晶ディスプレイを設置。

お客様の声

長崎大学教授
医学博士 有吉紅也 様

イギリスやアフリカ、タイなど海外で14年間働いて感じたのは、日本人の力をもっと世界の保健医療の現場で活かせるはずだということです。日本には優秀な人材が多いのに、世界へ踏み出すきっかけが足りません。その解決策として、熱帯医学・グローバルヘルス研究科を立ち上げました。

国内には発展途上国に行って、身を粉にして働きたいという若いお医者さんがたくさんいます。このITシステムを活用することで、病院を辞めなくても、社会人大学院生として、働きながら学ぶことが可能になります。私は彼らを世界のフロントラインで働かせてあげたいと思っています。優秀な人材を育てるための最も良い方法は、本物を見せることです。世界でいま何が起きているかを正しく理解して、そのフロントラインに入ることで、はじめて本質的な問題解決につながると考えています。

本研究科はロンドン大学衛生・熱帯医学大学院と連携していますので、ロンドンで活用しているティーチング素材も積極的に活用していきます。それにはテレビカンファレンスシステムが不可欠です。今回導入したITシステムは、講義に変革を与えるのではないかと期待しています。

また、過去に録画した講義を事前に学生に見てもらうことで、今年度からは講義の内容をもう一段深いところにまで進めていくこともできると考えています。企業がグローバルヘルス分野の社員教育を行いたいという場合も、長崎まで訪れなくても、PCでアクセスするだけで研修を実施することができます。

本システムは、日本全体がグローバルヘルスに対する理解を深めていくための画期的なツールになるのではなないでしょうか。地球上の課題を、全人類共通の問題をとして捉えようというグローバルヘルス分野において、今後、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科が中心となって活動していければと考えています。

写真:長崎大学教授 医学博士 有吉紅也 様
長崎大学教授 医学博士
有吉紅也 様

長崎大学 熱帯医学研究所 熱帯医学教育室
修学コーディネーター 佐藤 光 様

これまでも録画システムは構築していましたが、毎回、講義の前にパワーポイント資料をPCに落として録画を行い、終了後編集し、閲覧可能な状態に仕上げるまで、かなりの手間がかかっていました。また1教室だけの録画システムから、今後は複数の教室で録画体勢を整えたいという希望もありました。

本システムの導入により、一つの講義につき、わずか5分から10分の簡単な編集作業だけで閲覧状態にまで仕上げることが可能になりました。基本的には学生向けですが、先生方にもIDとパスワードを渡して閲覧できるようにしています。

最大の利点だと感じているのは、録画予約をしなくても、授業を後から切り出せることです。これにより授業時間が延びた際なども、録画時間の変更などで対応できます。そのほか、特別講義や内部会議など、導入当初は想定しなかったシーンでも活用しています。これまでも、海外の病院における臨床例のカンファレンスや遠隔講義も行ってきましたが、それぞれの場所でディスカッションを録画する難しさを感じていました。このシステムではそういった問題も解消されるのではと考えています。

現在はもう一度講義を受けるイメージで90分授業をそのまま録画していますが、今後は遠隔配信などを想定して、時間を短縮したバージョンを作成するための録画体勢も整えたいと思っています。

写真:長崎大学 熱帯医学研究所 熱帯医学教育室 修学コーディネーター 佐藤 光 様
長崎大学 熱帯医学研究所
熱帯医学教育室
修学コーディネーター
佐藤 光 様

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