姫路市教育委員会様 姫路市立東光中学校

プロフェッショナルディスプレイ
市内小・中学校すべての普通教室に電子黒板+書画カメラを常設。ICTシステムを活用した質の高い姫路市の教育環境を構築。

兵庫県姫路市教育委員会様は2008年に「魅力ある姫路の教育創造プログラム」を策定し、小中一貫教育に代表される独自の教育改革を推進しています。
その一環として、2013年に市内全中学校35校の普通教室にICTシステムの導入を決定され、当社65V型マルチタッチスクリーンディスプレイを電子黒板として採用いただきました。


導入の経緯

「魅力あるまちづくり」のため、教育改革に着手
姫路市様では2006年3月の周囲4町との合併にあわせて、新しい街づくりのための総合計画と抜本的な教育改革構想の立案に着手。同年9月に「市民1万人アンケート」を実施したところ、教育に対して高い関心を持たれている結果が得られました。そこで、2008年に教育改革構想「魅力ある姫路の教育創造プログラム」(以下「教育創造プログラム」)、2009年に市総合計画「ふるさと・ひめじプラン2020」を策定。「学校教育の質を向上させることで、姫路の魅力を高め、少子化の進行を抑える」というビジョンを関係者間で共有することとなりました。
そして2009年、モデル校において、この「教育創造プログラム」に沿った小中一貫教育をスタート。2011年には、市内すべての小中学校において実施となりました。

パソコン教室と普通教室を連携するICT活用環境を確立
姫路市教育委員会様では、「教育創造プログラム」の策定以前から教育のICT化に積極的に取り組まれていました。1991年、市内全中学校にパソコン教室を整備されたのを皮切りに、すべての小学校へのパソコン教室整備、校務のIT化などを進められました。
「教育創造プログラム」制定後は、国の「スクール・ニューディール構想」なども後押しとなり、学校教育のICT化が加速。2011年、市内全小学校69校の普通教室に、当社製大画面テレビとタッチスクリーンシステム、書画カメラで構成したICTシステムを導入。パソコン教室と普通教室を連携して授業を行うといった、現在に継承される「姫路スタイル学校ICT活用環境」の基礎を構築されました。

姫路スタイル学校ICT活用環境(2013年)図
姫路スタイル学校ICT活用環境(2013年)

ディスプレイ導入決定の理由

導入した小学校で高く評価されたICTシステム
小学校に導入したICTシステムにおいては、
1.板書したものを残せる黒板と、教材を拡大表示して書き込めるICTシステム、それぞれの特性を活かして併用することで、これまで以上に「わかる授業」を行うことができる。
2.教科書などを簡単に拡大して表示できるため、模造紙作成などの時間を削減でき、教師の負担軽減のみならず、児童とふれあう時間を増やすことが可能。
3.大画面ディスプレイを活用したプレゼンテーションを児童に体験させることが、表現力の向上につながっている。など、学校教育の中で常に効果的に活用されています。

さらに、中学校へのシステム導入により、効果的な小中一貫教育の体制を整備
教育委員会様では、2011年にスタートした小中一貫教育をよりシームレスに行うために、学校間での情報共有の仕組みづくりや、設備環境を統一することの必要性を感じられていました。
特に、小・中学校を通じて生徒が同じ環境で学習できるよう、先に小学校に導入されたICTシステムと同様のシステムを中学校にも整備することは急務となっており、2013年度事業として学校教育の情報化推進を計画。市内の全中学校すべての普通教室に電子黒板を中心としたICTシステムを導入することに加え、少人数(4名)グループでの協働学習に活用する、タブレット型パソコンの全小・中学校導入も決定されました。
これにより ●1人1台のパソコンで、個別学習を行う「パソコン教室」 ●グループでの協働学習や意見交換、発表などに活用する「タブレット型パソコン」 ●大画面の電子黒板や書画カメラを活用して、一斉学習を分かりやすく行う「普通教室」が市内全小・中学校に整備され、これらを連携して授業を行う「姫路スタイル学校ICT活用環境」を構築されました。

マルチタッチスクリーンディスプレイの採用で、「いつでも、使いたいときに、すぐ使える」を実現
ICTシステムに使用する映像表示装置の選定にあたっては、特に以下のポイントを重視されました。

  • 「普段づかい」ができること
    授業で必要になった際、すぐに使えることは必須。そのため、システムを教室に常設することは最低条件。ただし、明るい教室でも気にすることなく、すぐに使えること。また、タッチパネルシステムの位置合わせなどの設定も利便性を損ねる。 「いつでも使えるから活用される。すぐに使えないものは活用されない。」を鉄則として機器を選定。
  • 既存の黒板をそのまま使えること
    教師はぞれぞれ、授業の進め方、スタイルを持っており、ノウハウを蓄積している(=経験)。そのため、黒板とICTシステムを併用することができるように、黒板を隠さずに設置できる表示装置を選定。
  • 堅牢であること
    教室に常設するために、万が一、児童がぶつかったりしても壊れずに使えるものであること。

この3点は、小学校へのICTシステム導入要素となっており、中学校でのシステム導入においても重要視されたポイントでした。今回、これらの選定基準をクリアする、当社マルチタッチスクリーンディスプレイが採用されました。
また、中学校への導入にあたり、黒板の延長として違和感のない大きさから、画面サイズは65V型を採用いただきました。

写真:黒板とは別にディスプレイタイプの電子黒板を採用することで、双方を併用できる
黒板とは別にディスプレイタイプの電子黒板を採用することで、双方を併用できる。
写真:電子黒板に映った教材にマーキングをして、用語説明を黒板に板書するなどの使い分けが可能
電子黒板に映った教材にマーキングをして、用語説明を黒板に板書するなどの使い分けが可能。
写真:英作文を拡大表示してプレゼンテーション。姫路市の子どもたちは、このような発表の体験を小学校から何度も経験しているため、自己表現力が高められている
英作文を拡大表示してプレゼンテーション。姫路市の子どもたちは、このような発表の体験を小学校から何度も経験しているため、自己表現力が高められている。

授業での使用例

使いたいときに、すぐ使える電子黒板がさまざまな授業で活躍
クラスの担任教師が全ての教科を指導する小学校に比べ、各学科ごとに担当の教師が変わる中学校教育では、すべての教室に同じ設備が整っていることは、より大きなメリットになります。
授業の様子を取材した姫路市立東光中学校様では、以下のように電子黒板を核としたICTシステムを積極的に活用して授業を行われています。

  • 教科書や資料など、教材を拡大表示
    教科書や資料などを書画カメラで撮影して、電子黒板に拡大表示。ポイントの部分にマーキングをしながら授業を進めます。これにより、重要な箇所を明確に生徒に示せます。
  • 生徒の作品を表示してプレゼンテーション
    書画カメラで生徒の作文などを電子黒板に表示して、プレゼンテーションを行います。事前準備なしに、すぐ実施できるので、多くの生徒に発表の機会を与えられます。教師は表示された画面に書き込みを加えて解説を行うことで、クラス全員で学ぶことができます。
  • 動画やデジタル教科書など、新しい教材を用いた授業
    システム導入により、動画再生がとても容易になりました。例えば、電子黒板で英会話の動画を再生することで、進行形や過去形などの時制をわかりやすく教えることができます。特に、動画は生徒の興味を強く惹きつけるようで、皆、とても集中して見入っています。また、デジタル教科書の活用も進んでいます。デジタル教科書は動画や音声などのコンテンツを含んでいるため、これまでの教科書に比べて、さらに掘り下げた、深みのある授業を実現します。
  • 書画カメラで、さまざまなものを拡大表示
    平面物の撮影以外にも書画カメラを応用。例えば、教師が毛筆の手本を書く様子を撮影して、電子黒板に表示することで、筆さばきをわかりやすく教えることができます。また、理科の実験装置を撮影しながら、実験の様子や結果をリアルタイムに電子黒板に表示して、クラス全員で見ることができます。
写真:教師が作成したオリジナル動画を使っての授業は、生徒の興味を高める有効な教材となった
教師が作成したオリジナル動画を使っての授業は、生徒の興味を高める有効な教材となった。
写真:電子黒板導入により、デジタル教科書を使用可能。従来の教科書と異なり、ビデオや音声などのさまざまなコンテンツを含んでいるため、テーマを掘り下げた、密度の高い授業が行える
電子黒板導入により、デジタル教科書を使用可能。従来の教科書と異なり、ビデオや音声などのさまざまなコンテンツを含んでいるため、テーマを掘り下げた、密度の高い授業が行える。
写真:電子黒板と書画カメラの連携例
電子黒板と書画カメラの連携例。